私の議会報告

令和5年 第1回定例会 2月22日 予算特別委員会 予算総括質疑

1 ブロック塀の安全対策について
2 子ども施設のあり方について
3 その他


1, ブロック塀の安全対策について

○近藤 まず、ブロック塀の安全対策について伺います。
予算説明補助資料273ページ、建築安全・安心の項に、ブロック塀等の指導・啓発として12万2,000円の予算がついていますが、この事業の内容はどのようなものなのでしょうか。
○塚本建築課長 ブロック塀等指導・啓発についてでございます。こちらは、平成30年の大阪北部地震におきますブロック塀倒壊事故の発生を受けまして、区ではまず令和元年度に、区内の道に面するブロック塀等の一斉調査を行ってございます。その結果といたしまして、著しく危険なブロック塀、こちらが区内に1,718件存在していることが判明したところでございまして、そういった状況に対する取組として、令和2年度以降、著しく危険なブロック塀等の所有者等に対しまして、区職員による指導等を継続的に行っております。その際に、必要となる啓発チラシの印刷及び郵送費として予算を計上させていただいてございます。
○近藤 先日、区民から危ないブロック塀があるので何とかならないかというお問合せがありました。調べていただくと、令和2年の中野区ブロック塀等調査で、著しく危険とされていた場所でした。著しく危険な場所の指導はしてくださっているということですけれど、結果として、危険なブロック塀の改善は進んでいるのでしょうか。
○塚本建築課長 区では、そういった危険なブロック塀に対する指導・啓発を行っている、そのほかにも、ブロック塀の撤去工事助成事業、こういったものも推進するなど、総合的に取組を進めてきたところでございます。その結果といたしまして、現時点におきましては、その著しく危険なブロック塀、こちらは1,608件という状況となってございまして、令和元年度の調査時から比較しますと、198件の改善が進んでございます。
○近藤 御努力をされているのは分かりますけれど、調査結果で著しく危険な件数が1,718件で、4年間で198件では、まだまだ区内に著しく危険なブロック塀が多く残されています。その中には、通学路に面している箇所もあります。早期に改善していただきたいと思いますが、何が支障になっているのでしょうか。解決のための取組があれば、併せて伺います。
○塚本建築課長 危険なブロック塀の解消、こちらに関する支障についてでございますけれども、著しく危険なブロック塀、こちらの多くは、築造年が非常に古くて、建築基準法第42条第2項道路、いわゆる狭い道路に面している、そういったケースが多くございます。実際、そういった古いブロック塀を撤去して、新たにフェンスなり、そういったものを設ける場合には、建物を建て替えする場合でなくとも、いわゆるセットバック、道の中心から2メートル下がった位置に建て直しをしなくてはならない、そういった状況がございます。そういった背景もありまして、実際にはその建物、お住まいの住宅とか、建て替えするときまでは、ブロック塀の撤去はちょっと控えるといいますか、進まない、そういった状況があるのかなというふうに認識はしてございます。
そういったところではございますけれども、ブロック塀の適正な管理、そしてそこに面する道の安全性の確保のためには、所有者の皆さんの理解、そして責任の下でしっかりと進められることが必要であると考えてございまして、引き続き意識啓発、情報発信、こういったことを粘り強く行っていきたいというふうに考えてございます。
○近藤 ありがとうございます。2月6日未明にトルコ南部で地震が起きました。トルコとシリアを合わせた死者の数は、2月22日時点で4万7,000人にもなります。日本も地震大国ですので、避けられる危険な状況は改善しておくことが大切と考えます。一刻も早い改善を求めます。

2,子ども施設のあり方について
次に、子どもの施設のあり方について伺います。
昨年の12月に、子ども文教委員会に示された地域子ども施設の展開及び令和5年度事業内容についてでは、「児童館閉鎖後の機能展開を進める施設については」と書かれていて、児童館が閉鎖されることを前提に、子どもの施設の展開が書かれています。先ほどむとう委員がおっしゃったように、四つの児童館の廃止条例が否決されたのに、現在既に児童館でない施設として扱われていることはおかしいと私も思います。
区は、2021年に朝日が丘、大和西、新井薬師、弥生、四つの児童館を廃止するための条例、第85号議案、中野区児童館条例の一部を改正する条例を議会に提出しましたが、議会で否決されました。私は賛成しましたが、この条例は何を目指すものだったのでしょうか。
○細野育成活動推進課長 児童館条例改正議案の内容でございますが、児童館は、各中学校区に1施設の配置を基本として、各小学校へ、キッズ・プラザ、学童クラブの設置に合わせ、順次集約していく、そんな考え方です。18館で運営する児童館のうち4館を廃止することによって、残る児童館に人的資源を集約し、機能を強化した児童館の運営を目指すということで御提案させていただきました。
○近藤 私は賛成して、賛成討論も行いました。その賛成の理由は、今まで多くの中野区の子どもたちと過ごし、中野区の子どもたちの健全育成に尽力してきた職員たちがそうせざるを得ないと判断したことを尊重したからです。区は児童館を全て残さず、中学校区内に1館とすることを決めました。これはどのような理由からなのでしょうか。
○細野育成活動推進課長 これまでの国の方針と方向性を合わせ、小学生の放課後の遊び場機能として、キッズ・プラザを開設することとして、小学生の安全・安心な居場所を小学校内に設置をしてまいりました。地域子ども施設は、子どもの成長に応じた保育や居場所、交流、相談支援のニーズに対応していくために必要な施設というふうに考えており、中野区では保育園、幼稚園、小学校、中学校の連携教育の中で、子どもたちの育成を行ってきたことから、児童館を中学校区に1館というふうな考えでお示しさせていただいたところでございます。
○近藤 中野区立児童館条例の最初には、児童を心身ともに健やかに育成するために中野区児童館を設置すると書かれています。児童館の役割は、ただ子どもが遊ぶ建物ではないのです。今まで中野区が担ってきた児童館の役割は、児童館条例が示す、児童を心身ともに健やかに育成する大きな役割を担ってきたのです。それは家庭との連携、学校との連携、地域との連携を大切に考え、児童館職員たちがその中心になって役割を果たしてきました。地域の子どもたちの健全育成の担い手の軸となってきたのです。運営協議会を開き、地域の声を聞きながら、地域全体で子どもたちの育ちを見守り、支えてきたのです。
しかし、前区長の下、児童館全廃計画が進められていったので、児童館に正規職員は長年採用されてきませんでした。そして、今ではキッズ・プラザが、今までの児童館が果たしてきた役割には程遠いとはいえ、児童を心身ともに健やかに育成するため、キッズ・プラザを中心に、保護者、学校、地域の方々がつながってきています。運営委員会も機能しています。そうなると、同じ校区に児童館とキッズ・プラザがある。廃止しようとした4館の児童館は、児童館として館を残し、児童を見守るスタッフを民間や委託で雇ったとしても、そこはもう今までの児童館とみんなが呼んでいた児童の健全育成に寄与する地域の児童館にはなれないのです。前区長の下、児童館廃止計画が進んでいるうちに、児童館の主役になるはずの児童も学校も地域の人も、その主軸をキッズ・プラザに移行していったのです。ですから、9館児童館を残して、区の職員がキッズ・プラザの館長も務めて、しっかりキッズ・プラザも責任を持って育てていく。その体制をつくっていくことが、児童館をなくし、キッズ・プラザを学校に入れていくと決めた、児童館の職員を採用してこなかった政策から、子どもたちの健全育成を保護者と学校と地域と行政が一緒になって取り組む責任を持った取組であると判断した、それが四つの児童館廃止の条例ですよね。
児童館というのは、単なる遊びの場ではなく、子どもたちの健全育成に関わる共同体が存在して初めて成立するのです。なぜそこをしっかりと説明されないんでしょうか。単なる館ではない、児童館の意義をしっかり説明して、四つの児童館を廃止する条例を再提出するべきではないでしょうか。
○細野育成活動推進課長 児童館は、子どもの居場所、交流等の基本機能に加え、子育て支援や地域の見守りネットワーク支援機能を強化した施設とするというふうに、これまで申し上げてきました。委員おっしゃるように、ただの居場所ではないというふうには考えてはおりますが、一方で、キッズ・プラザの運営につきましては、児童館長がその所長を兼務するという形を今取っておりまして、キッズ・プラザも民間事業者が自らの力だけで――委託事業なので、自らの力でやっておりますけれども、所長としての区の職員の関与も受けながら運営をしているところです。
地域のコミュニティのお話につきましては、キッズ・プラザは地域に開かれた施設としての運営を考えることから、地域に開いた運営委員会を各キッズ・プラザで設置をして、進めているところです。
今後なんですけれども、地域子ども施設については、乳幼児親子や中高生の居場所事業や、自由に外遊びができる事業など、子どもたちや保護者のニーズに応え、地域全体で子ども・若者の成長を支える施設としての展開をしていくために、各施設の機能の強化、そして施設の特化や転換を図っていくという考え方でございます。
○近藤 そんなぐちゃぐちゃ言っているから、皆さんに分かんないんですよ。あのね、キッズ・プラザと児童館があって、そこには地域も学校も一つしかない。それでどうやって健全育成、子どもたちの児童館が成り立つのか。それは1か所じゃなきゃ、学校も地域もみんな一緒なんですよ、そこには。それが児童館なんですよ。それを残していきたいから、職員たちは、児童館なくすなんてもう泣きそうに嫌なことだけど、二つのコミュニティは一緒なんですよ。だから、児童館をなくさなきゃならないんじゃないんですか。今、キッズ・プラザにそれができてきているんですから。そこをしっかり言わなかったら、みんな分かんないですよ、児童館が何でなくなっちゃうかということが。しっかりしてくださいよ。
それで、ここで一つ問題になるのは、児童館条例を廃止することで、今まで児童館を使っていた児童が児童館の建物を使えなくなってしまうことなんですよ。例えば私が考え続けてきた、大和西児童館を例に出して提案させていただきますと、大和西児童館はすぐ隣に美鳩小学校があります。キッズ・プラザも好評で、多くの児童、保護者に喜ばれています。大和西児童館は、乳幼児と学童クラブ館になる予定です。たとえ利用児童がそんなに多くなくても、児童館が廃止となれば、この児童たちは乳幼児学童クラブ館に入って遊ぶことができなくなります。美鳩小学校は、校庭が芝生ですので、大和西児童館の土、砂場のようなところで遊ぶことができなくなります。児童館が一つなくなれば、確実に児童の遊ぶ場所は減ってしまうことになります。それは、むとう委員たちが言っている、児童館をなくさないでくださいというところなんですよ。
しかし、児童館として存続させるのは、ただの館じゃない、その健全育成の場所なんですから、コミュニティがない、共同体がないんですから、今まで述べてきたように、理由があって無理なんですよ。そうしたらどうしたらいいかって、私はもうすごい考えましたよ、あの否決されてから。いろんな方にも相談しましたよ。そこで一番よいと判断した結果は、大和西児童館などのその4館のところに、大和西児童館で言えば、キッズ・プラザの分室のような機能をつくればいいんですよ。それが一番いいという結論になりました。それで、美鳩キッズ・プラザに職員をもう1人、児童がいっぱい遊ぶようであったら、2名多く雇うんですよ。そうすれば、最低限の経費で、児童は今の児童館の建物で遊ぶことができるんですよ。それを独立して考えていたから、そこは無理だということに結論をして、児童館をなくしてしまえということになっていたんですよ。この方法であれば、子どもたちが居場所を奪われず、最小限の経費で運営できます。ぜひ検討していただきたいと思いますが、いかがですか。
○細野育成活動推進課長 施設の運営については、効果的な効率的な運営にしていきたいですが、分室ということについては、様々これから検討が必要だと考えます。児童館の、キッズ・プラザの違いについては、ともに地域に開いては同様です。ただ、児童館については、中学校区の健全育成を見守っていくという方向を検討していることは、これまで申し上げてきたとおりです。
委員がおっしゃっている児童館という言葉の中には、中学校区に1館の児童館ということと、あと閉館予定の児童館ということが、両方を入ったという形で――ふうに受け止めますが、中学校区に1館残す児童館と、それから閉館を予定している児童館については、区では、今後の役割は違うというふうに考えております。中学校区に1館の児童館は、地域の健全育成を守るための場として運営をしていきたい。そういったところはこれまで申し上げたとおりで、それを継承した地域子ども施設の今後の展開を提案したところでございます。
○近藤 ちょっと途中で何か怒っちゃったんで、時間が全然なくなっちゃって、キッズ・プラザの運営も、質を低下させないでよいものにしていく。そして残りの児童館には、職員をきちっと配置して、それで児童と保護者と学校と地域をつなげて、児童の健全育成を図っていく。きちっとした体制をつくって、キッズ・プラザをいいものにしていく。そこが児童館だと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。御清聴ありがとうございます。

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