中野区の財政問題
◆中野区のスポーツ施設
2020年第32回夏季オリンピック・パラリンピックの東京開催が決まり、国全体がスポーツブームです。
中野区にも、新しいスポーツ施設が次々と建設されます。中野富士見中学校跡地の「南部すこやか福祉センター」には、会員制地域スポーツクラブの温水プールの設置が計画されています。このプールの維持管理に、年間1億円かかる予定です。(他にも4カ所地域スポーツクラブ設置予定)
現在新築中の中野中学校には、地下に温水プールが作られ、こちらも区民にも解放されます。
また、中野区の南部地域には平成27年度開園予定の「(仮称)本町五丁目公園」(1.2ha)に人工芝の運動広場ゾーン(4,600m2)が整備され、平成28年度開園予定の「(仮称)南部防災公園」(1ha)にも人工芝の運動広場(2,900m2)が作られます。
「区民待望のスポーツ施設」が次々作られ、区民のスポーツの環境は格段に広がりますが、老朽化し建て替えが必要となる中野体育館や、劣化した上高田の運動施設等既存の施設への対応はどのようになっていくのでしょうか。財政が厳しい状況の中で、高齢化はさらに進みます。中野区全体のスポーツ施設の維持・管理・運営費は、今後、区全体の財源を圧迫していくのではないかと危惧されます。
(2014年1月現在)
◆区の予算
中野区は、特別区税と特別区交付金(基幹収入)だけでは予算が組めず、区の貯金である財政調整基金から繰り入れて予算を立てています。今年度も40億円余りを繰り入れました(残139億円)。このままいくと「平成29年度末には柔軟な財政運営が担保できない状況が生じる」大変厳しい状況です。 この状況下、事業の見直しを行っていますが、区が見直し削減する事業、新規に多額の出資をする事業、そのバランスは区民の生活常識とかけ離れているように思います。 皆さんはいかが思われますか。
▼温水プール
「区民の健康のため」区内4ヵ所に地域スポーツクラブを作る計画です。(仮称)南部地域スポーツクラブ(中野富士見中学校跡地)には、地下に温水プールが作られ、建築費11億円、毎年1億円の維持管理費がかかる予定です。中部すこやか福祉センター内にも地域スポーツクラブ施設を作りましたが(8億円投入)、稼働率は20%未満です。
中野区はかつて、山梨県上野原に「区民のスポーツ施設建築のため」税金12億以上出資して土地を購入、結局、計画は頓挫し、莫大な維持費と損金を出して土地を売却した経緯があります。
(2013年8月現在)
◆地域スポーツクラブ、芝の校庭、学校の雨漏り
中野区は、区内4圏域に地域スポーツクラブを作る計画です。
富士見中学校跡には、南部すこやか福祉センター、南中野地域事務所等と併設し「(仮称)南部地域スポーツ施設」が建設されます。この施設には地下に温水プールが作られる予定です。近隣の第二中学校にも温水プールがあり区民開放していますが(学校施設のため平日は夜のみ開放)、利用者は1日平均58人です。中野駅周辺から南部地域には、民間施設の中野サンプラザ、ティップネス・スポーツクラブ、東京アスレティッククラブ、コナミスポーツクラブ中野富士見等のプールがあります。また、中野駅に近い中央中学校跡地に建設中の南中野中学校にも地下プールが作られ地域開放される予定ですが、地下に温水プールを作ることで建築費予算が7億円~9億円も増加しました。
「区の財政は危機的な状況である」として徹底的な事業見直しを行いながら、その一方、「区民の健康促進、介護予防のため」に新たに温水プールを建設し、多額の維持管理費を投じる計画です。民間のプールや運動施設などを区民が活用できるよう補助していく等の考え方もあるのではないでしょうか。
(2013年1月現在)
◆校割予算について
学校はフレーム予算制度は使いにくいと感じている。報償費、交際費と節に分かれ、節をまたがってのやりくりができず、年度内に節ごとに使わなければ返還しなければならない。学校では、予算決定の段階で予想できなかったことも起こるが、突発的な事態に柔軟に対応する予算がない。教育環境が少しでも改善されるのであれば、教育フレーム予算内で弾力的な運用はできないのか。また、校長の裁量で使える予備費的な予算を設ける事はできないのか。
★10月4日の子ども文教委員会でも、私は学校フレーム予算制度について質問しました。私の質疑の最後に教育長は、「制度の仕組みが理解されず、事象だけがいくのが凄く危うい」と発言し、「いろいろな方(近藤のこと)に学校現場のつらい状況を言うものではないと校長会で発言する」との趣旨を述べました。
(2013年1月現在)
◆地域スポーツ施設建設
皆さんのご記憶にあるでしょうか「幻の上野原スポーツ学習施設」。これは、当時私の父近藤正二らが「買ってはいけない」と再三にわたり反対したにもかかわらず、中野区が「区民のための新しいスポーツ施設を創るために」と1994年に山梨県上野原に土地を購入、結局、施設は実現しないまま税金で維持し、2008年9億円もの損金を出して土地を上野原市に買い取って貰ったものです。
区民は、長年にわたりそのツケを払わされ、その間、新しいスポーツ施設は作られませんでした。私自身も、中野体育館を初め、中野区のスポーツ施設の貧弱さに悲しい思いをしてきた区民の一人です。
しかし、ここにきて突如、地域スポーツクラブを作る案が浮上し、区内4箇所、中部すこやか福祉センター内、中野富士見中学校跡施設、沼袋小学校跡施設、鷺宮地域(場所未定)の事業が発表され、2011年度予算に中部すこやか福祉センター分の運営経費等で約4400万円が計上されました。(事業は未だ始まっていません)
中野富士見中学校跡に作るすこやか福祉センターに併設した地域スポーツクラブは、温水プールを予定していますので、その維持管理費はどのくらいの金額になるか計りしれません。
「非常時につき予算の聖域無き見直しを図る」といいながら、新規に4箇所のスポーツクラブの設立をめざす区の見解は、私には到底理解ができません。今回、区が示した「事業見直し(案)」にこの地域スポーツクラブは入っていませんが、私は税金を投入する前にぜひ止めたいと思っています。
皆さんのご意見をお聞かせください。
(2012年1月現在)