私の議会報告

令和3年 第1回定例会 3月2日 予算特別委員会 総括質疑

1、生活保護について
2、高齢者施策について
3、障がい児・障がい者への理解について


〇近藤 新型コロナウイルス感染症の影響などで、日々激務に追われていらっしゃる職員の皆様の御尽力に感謝して、質問に入らせていただきます。
 1,生活保護について伺います。
 生活保護制度は、最後のセーフティネットと言われています。必要な方に必要な支援がしっかりと届くことが大事です。そのことを大前提として質問いたします。
 令和3年度当初予算の案の概要、財政運営の考え方、21ページに記載されている一般財源ベースの財政フレーム、令和3年度から令和5年度の予測の歳出の部分を見ますと、扶助費、令和3年度165億円、令和4年度171億円、令和5年度174億円、令和6年度178億円、令和7年度182億円と、毎年6億円、3億円、4億円と扶助費が増加しています。これはどのように算出したのでしょうか。
〇森財政課長 扶助費の見込みでございますが、金額が大きいものということで、生活保護費、教育・保育施設給付、介護給付、訓練等の障害の給付、それからそれ以外のその他の扶助費というような形で分けて算出しておりまして、生活保護費については、リーマンショックの際の影響を踏まえて推計をしておるところでございます。教育・保育施設給付については、公定価格の上昇率等を勘案して推計をしておりまして、介護給付、訓練等給付については、平成30年度から令和3年度の平均の伸び率を乗じているところでございます。
 それ以外の扶助費については、令和元年度の決算や今年度の決算見込みを踏まえて推計をしているといったようなことでございます。
〇近藤 扶助費のうち、生活保護については、これはどのような金額の推移を見込んでいるんでしょうか、今後。
〇岩浅健康福祉部長 令和3年度は、一般財源ベースの財政フレームの扶助費のうち、生活保護費に関するものは約40億円、その後約3億円ずつ増加することを見込んでおります。
〇近藤 今後の伸びを見込んで算出しているとおっしゃることなんですけれど、新型コロナウイルス影響は計り知れず、リーマンショックのときよりも高齢化はどんどん進んでいますので、生活保護費は本当にこれから想定よりも増えていってしまう可能性も大いにあると思います。
 新型コロナウイルス感染症の影響で、生活保護を利用する人が増えているようですけれど、本年度の4月から1月まで生活保護費申請者は昨年と比較してどのぐらい増えたのでしょうか。
〇岩浅健康福祉部長 今年度4月から1月までの生活保護申請は769件でございます。昨年度の同時期が639件でございましたことから、130件の増となっております。
〇近藤 コロナウイルス感染症の影響がこれからも続くと思います。130件増ということですけど、新型コロナウイルス感染症の影響で収入を失った方、あるいは失業してしまったという方は、住宅確保給付金などの制度を使って就労に結びつけていただき、生活保護に至らないように、あるいは生活保護になってしまったとしても、就労阻害要因のない方は初期の就労支援体制が必要であると思いますが、どのように就労に結びつけるのでしょうか。
〇岩浅健康福祉部長 生活保護を受給された方につきましては、ケースワーカーによる助言のほか、生活保護受給者を対象とした就労支援プログラムというものを用意してございます。就労支援による面接を行った後に、必要な支援を行っているものでございます。
 まず、経験やスキルを生かして就職を見込まれる場合には、ハローワークの窓口であります中野就職サポートを紹介させていただきまして、その前の段階にある方につきましては、中野就労セミナーで必要な講習等を受けていただくなど、個々の状況に応じた対応を行っております。問題なく働ける方につきましては、保護開始後、すぐにこのプログラムにつなぐよう案内をしているところでございます。
〇近藤 いろいろ取り組んでいただいているとは思いますけれども、令和2年度の中野区健康福祉部事業概要の保護開始の理由を見ると、世帯主・員の疾病、平成31年212人、率にすると39.1%、収入、手持ち金の減少は433人、率にすると59.4%です。最初は手持ち金が少なくなってしまった生活保護となってしまった方が、保護廃止は、就労や就労以外の自立に比べて圧倒的に死亡という出口になってしまいます。高齢の方が多いということもあり、たとえ病気でなくても、就労や自立に結びつけることはなかなか難しいとお聞きしました。
 中野区基本計画(素案たたき台)には、一人ひとりの状況に応じた包括的な自立支援を行う必要があると書かれていて、就労支援やケースワーカー等による継続的な支援を実施するとありますが、今後も生活保護が増えると想定していますが、就労支援員やケースワーカーの人数は足りているのでしょうか。
〇岩浅健康福祉部長 ケースワーカーにつきましては、社会福祉法に規定する標準数に比べまして、現在でも20名ほど不足をしている状況でございます。就労支援員は、現在会計年度任用職員1名で対応しております。今後、新型コロナウイルス感染症の影響等で、生活保護受給者が増加している現状を踏まえまして、自立支援を進めていくためには、体制の強化も含めて検討する必要があるというふうに考えております。
〇近藤 新型コロナウイルス感染症の影響か、完全失業率が上昇したのは11年ぶりという状況です。仕事を探すといっても、就労阻害要因のない被保護者と、様々な課題を抱える被保護者とは、また自立によっての取組の方法も違うと思いますし、現在は仕事もなかなか見つからないと思いますが、基本計画(素案たたき台)に書かれているように、一人ひとりの状況に応じた包括的な自立支援に、就労支援員やケースワーカーの増員や専門性は欠かせません。
 福祉事務所の現業員は、社会福祉主事任用の資格が求められていますが、ケースワーカーのうち、社会福祉主事任用資格を所持している割合はどのようになっているのでしょうか。
〇岩浅健康福祉部長 社会福祉主事任用資格を持っているケースワーカーの割合は、60%でございます。
〇近藤 一人ひとりの状況に応じた包括的な自立支援が大事だと、区は分かってはいらっしゃる。しかし、ケースワーカーの数は足りない。社会福祉主事任用資格も6割しか持っていない。そのような状況では、訪問活動をして的確な生活状況の把握も改善もできない状況であると思います。そもそも基本計画(素案たたき台)に書かれている、一人ひとりの状況に応じた包括的な自立支援とはどのようなことを言うのでしょうか。
〇岩浅健康福祉部長 お一人おひとり、目指す姿は異なってくると思いますけれども、必要となる御本人、その他の、その世帯の個々の課題に応じまして、例えばハローワークやすこやか福祉センター、子ども家庭支援センター、社会福祉協議会など関係部署、関係機関と連携をして課題解決を目指す、切れ目のない支援ということが包括的な自立支援というにつながっていくと思っております。
〇近藤 特別区の統計、令和元年度版を見ますと、中野区の生活保護世帯数は6,739世帯、杉並区の生活保護世帯数は6,526世帯、人口が倍ぐらい違いますので、中野区の保護率は22.5%、杉並区の保護率は12.8%となっています。中野区と杉並区を比較してみると、世帯数、被保護人員、ほとんど同じですから、生活扶助、住宅扶助、介護や医療扶助の金額もほぼ変わりませんでした。
 しかし、二つ大きく金額が違う項目がありました。一つは、中野区では、就労自立給付金の費用が約189万円、杉並区は約366万円。杉並区は中野区の約倍の金額が就労自立給付金として支払われているんです。これは杉並区は中野区よりも、より多くの人を就職に結びつけているということです。
 以前、杉並区の福祉と暮らしのサポート拠点ウェルファーム杉並を視察したとき、1階には就労支援センター、生活自立支援窓口、子ども・子育てプラザ、2階には福祉事務所、社会福祉協議会、3階には消費者センター、在宅医療・生活支援センターなど、4階は区民の集会所とボランティアセンターがありました。
 視察した当時、3年ぐらい前は、新卒の就職率もよいときでしたけれど、私の周りには就職できない若者も少なからずいました。このような就労支援センターなら、もう既に社会から落ちこぼれてしまったと思いがちな若者が気軽に相談ができるという、よい施設であるなということを思いました。新型コロナウイルス感染症の影響で仕事を失っても、素早く就労支援の仕組みが大切です。たとえ一時的に生活保護になってしまっても、自立に向けてのまさに包括的な取組が求められます。
 しかし、これから中野区が行おうとしている施設の配置は、生活保護は教育センターの場所、暮らしサポート等や社会福祉協議会は区役所、若者の相談や支援の場となる子ども・若者センターは中央一丁目と、それぞれがとても離れています。素早い包括的な支援と、貧困からの早期の自立への体制が取られているとはとても思えません。
 生活保護の施設配置については、皆さんがかなり質問されていますので、ここでは改めてお聞きしませんが、まさに今後ますます支援が必要な人に対して、自立に向けての包括的な支援が受けられる体制の強化が必要なのですけど、残念ながら人的にも施設の配置にも、これは大変危惧するところだと思います。
 そして次に、生活保護扶助費の中で最も多いのが医療扶助費です。これを抑制していくことが必要であると思いますが、どのような対応を行っているのでしょうか。
〇岩浅健康福祉部長 区民健診の受診勧奨によりまして、早期発見・早期治療につなげ、重症化を防ぐこと、また重複受診などのチェック体制や適正な実施の指導などを行っているほか、長期入院者の退院促進を行っているところでございます。
〇近藤 医療扶助の約半分が入院費ですので、重症化を防いでいく取組が大切です。先ほど中野区と杉並区の就労自立給付金の差の話を例に出しましたが、就労自立給付金以外に、中野区と杉並区で支払われている扶助費でもう一つ金額に差があったのは、葬祭扶助費です。杉並区が2,212万8,519円、中野区は4,269万2,754円で、こちらは逆に中野区が2倍です。中野区では多くの方が亡くなるまで生活保護を受けているということです。
 担当にお尋ねしますと、「御病気の高齢者が生活保護になるのですから」と言われます。確かに自立できない高齢者の方が困窮し、生活保護に至ってしまえば、そこから抜け出すことは容易でもありません。だからこそ、今ますます高齢化社会になっていくのですから、区が言う誰一人取り残さないアウトリーチ活動を発揮され、8050問題やひきこもりの方などを早期に発見し、自立、就職へと結びつけていただきたいと思います。
 人は、突然高齢者になってしまうわけではありません。生活保護受給者への支援も大切ですが、その一歩手前の生活困窮者への支援が大切です。現在、そして今後の対応をお伺いします。
〇岩浅健康福祉部長 自立相談支援機関であります中野くらしサポートにおきまして、就労支援ですとか、家計改善支援、住居確保給付金など併せて支援を行っているところでございます。
 今後も、庁内、庁外、関係部署、関係機関、一緒になりまして、よりサービス内容の充実ですとか、機能の拡充を検討してまいりたいと考えております。
〇近藤 先日、地域包括ケア推進調査特別委員会で学習会の講師を務められた東洋大学社会福祉学部、藤林慶子先生によると、23区で地域包括ケアの仕組みが成功している自治体として杉並区も挙げていらっしゃいました。杉並区は生活保護に関して、申請の難しさなどマイナス面も聞きますが、地域包括ケアシステムについては確かに進んでいます。
 中野区も毎年億単位で生活保護費が伸びていくことに対して、御病気の高齢者が多いのだから仕方ないと諦めるのではなく、区が示す一人ひとりの状況に応じた包括的な自立支援を行うための体制づくりに、ここ本当に真剣に取り組んでいただかないと、生活保護費で本当に大変なことになると思います。ぜひ検討していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
2,高齢者施策について
 次に、高齢者施策について伺います。
 介護予防について伺います。この質問も、昨日の久保委員と重なるところがあるのですけれど、御了承ください。
 新型コロナウイルス感染症が流行する中、重症化リスクが高い高齢者が外出を控えています。友人と出かける、会合に参加する、介護予防で体操に通うなど、様々なことを控えています。外に出ること自体が、高齢者にとって介護予防の一つだったのですが、介護予防の教室に通っていた高齢者も家にひきこもりがちです。このような状況下、区が行っていた介護予防事業はどのような影響があったのでしょうか。
〇葉山介護・高齢者支援課長 お答えします。緊急事態宣言の発出や会場の都合などによりまして、一部休止となった事業もございました。休止中は、感染予防や健康維持に向けたチラシ、ポスターや冊子による注意喚起や啓発に取り組んでまいりました。
 地域の会場で実施する「なかの元気アップ体操ひろば」につきましては、昨年7月からオンラインによる体操を導入しているところでございます。
〇近藤 オンラインといっても、突然のことで、高齢者でIT機器を上手に使えない方も多くいらっしゃると思いますけれど、その何か対策はされたのでしょうか。
〇葉山介護・高齢者支援課長 オンライン体操ひろばを導入する際には、IT初心者向けのオンライン講習会を開催いたしました。
〇近藤 オンライン講習会はどのような形で行われたのですか。
〇葉山介護・高齢者支援課長 オンライン講習会でございますが、シニアICT講習会といたしまして、昨年8月に、前半3回をスマホ、パソコン、iPad等に関して何でも自由に聞ける相談の機会を設けました。9月には、つながることをメインにしたZOOMやLINEと、乗換ナビやグーグルマップなど、生活に役立つ無料アプリに関する講習会を3回行ったところでございます。3月には、セキュリティ講習会の開催を予定しているところでございます。
〇近藤 セキュリティ講習会はどのようなやり方をするんですか。
〇葉山介護・高齢者支援課長 セキュリティ講習会でございますが、オンラインでの講義をメインにしてございます。事前にZOOMの操作をサポートする機会、体験会等を設ける予定でございます。
〇近藤 講習会にいらっしゃる方はIT機器に慣れていない方も多いと思いますので、セキュリティ講習会も開催するということはとてもよいことだと思います。ぜひ丁寧な御指導をお願いいたします。
 これらの事業は、今年度の予算の中で行われるということですが、予算的には今年度の予算内でオンライン講習会、セキュリティ講習会を行っても足りるということでしょうか。どのようなやりくりをされたんですか。
〇葉山介護・高齢者支援課長 講習会などにつきましては、その年の課題解決に向けた講座等の経費を充ててございます。また、オンラインの導入につきましては、既存の介護予防事業の契約を変更して対応しているところでございます。
〇近藤 介護が必要な高齢者を介護している家族の中には、デイサービスが中止になってしまって、家でずっと高齢者と2人でいるので、介護をするほうも気が休まらないであるとか、高齢者が誰とも話さないで独りでずっと家にいるので認知症にならないか心配であるとか、介護が必要でない高齢者の方も様々な事業がお休みで行くところがないなどの声を聞きます。来年度も新型コロナウイルス感染症の状況は不透明ですが、そのような状況でも、高齢者が介護予防に取り組めるような事業の工夫をしていただきたいと思いますが、来年度に向けてはどのように考えていらっしゃるんでしょうか。
〇葉山介護・高齢者支援課長 当面、この新型コロナウイルスの影響は続くものとして、感染予防策を徹底しながら、顔を合わせる対面での介護予防事業を継続するとともに、オンラインツールやICTを活用した新たな取組も進めてまいりたいと考えております。
〇近藤 新型コロナウイルス感染症拡大防止のために、指定管理者に委託しているスポーツ施設や文化施設には、利用料収入が減少したために補正予算を使い、補償しました。しかし、事業等を利用していた区民には何もサービスとしては返ってきませんでしたが、区の職員は工夫をされて、コロナ禍でもできることを考え、高齢者の介護予防に取り組まれました。そして、ちゃんと高齢者はパソコンが不得意ではないか、セキュリティに気をつけなくてはいけないのではないかと、区民のことを考えて講習会を企画しています。とてもありがたい対応だと思います。今後も工夫して、高齢者の介護予防に取り組んでいただきたいと思います。ありがとうございました。

3、障がい児・障がい者への理解について
障害児・者への理解について伺います。
「中野区障害者計画・第6期障害福祉計画・第2期障害児福祉計画(案)」の中に、障害のある人に対する理解が「ある程度進んでいる」、「十分に進んでいる」と回答した人の割合が、令和2年度の現状値は36.5%と低く、5年後の令和7年度の目標値も41.5%と低いことが記載されていました。平成28年、2016年には、障害者差別解消法、平成30年、2018年には中野区ユニバーサルデザイン推進条例が施行されるなどして、以前よりも障がい児・者への施策が進められてきていますが、障がいのある方への理解も広がってきているとは思いますが、まだまだ不十分であるのが現状のようです。
障がいのある方への理解を進めるためには、子どもの頃から多様性を認め合いながら育つことが重要であり、学校教育はその役割が大きいと思いますが、学校の中でも、特に発達に課題がある児童・生徒への理解についてお聞きします。
私は平成28年度、2016年と、平成29年度、2017年に学校教育に関するアンケートの結果、学校は特別支援教育や発達障害等に対して、保護者に対して説明を行っているのかという項目で、「不十分」、「答えられない」、「分からない」との評価が多いのですが、どのように取組をしているのですかと質問しました。平成28年度は、「保護者の理解促進は欠かせないものと考えており、教育委員会において、パンフレットを作成し、全家庭に配布しています。また、各校において学校だよりで特集を組んだり、保護者会に合わせて講演会を開催するなど、分かりやすく伝える取組を行っているところです」というお答えを頂きました。
しかし、平成20年度のアンケート結果も、学校は特別支援教育や発達障害等に対して保護者に対して説明を行っているかとの同じ項目で、「不十分」、「答えられない」、「分からない」との評価が相変わらず多いので、再度どのような取組をしているのかとお聞きしました。そうしたところ、「特別支援教育の理解促進に向けましては、研修会の開催やリーフレットの作成、各学校での周知を行っているところでございますが、保護者の理解度を直ちに高める成果には結びついていない現状でございます。今後は、さらに特別支援教育の活動や成果も踏まえまして説明するなど、理解促進に努めてまいりたいというふうに考えてございます。区は、昨年度に引き続き、中学1年生の保護者を対象に、特別支援教育のリーフレットの配布や学校だより、パラリンピアンによる講習会の開催などを通じて、児童・生徒や保護者に対して理解促進に取り組んでいます。今後も特別支援教育の意義や重要性につきまして、保護者の方たちにきちんと分かるように、特別支援教育の活動や成果について示すなど、分かりやすい、丁寧なアプローチを行っていきたいというように考えてございます」とお答えになっているのですけど、それから2年がたった2019年度の学校評価外部評価、学校教育に関する保護者アンケートの結果についても、学校は特別支援教育や発達障害等に関して保護者へ説明を行っているという同じ問いに対して、保護者の回答は小学校、「不十分」、「答えられない」、「分からない」は33.1%。中学も「不十分」、「答えられない」、「分からない」が34.1%で、どの項目よりも小学校、中学校ともに「不十分」と「答えられない」、「分からない」の合計が多くなっているのです。
アンケートの結果を見る限りでは、教育委員会が分かりやすいアプローチをしていると思い取り組んでいる方法では、なかなか児童・生徒や保護者には特別支援教育や発達障害への説明としては届いていないように思います。
学校では、児童・生徒に対して特別支援教育や発達障害、多様性への理解など、どのように教えているのでしょうか。現在の取り組みを教えてください。
〇宮崎指導室長 学校では、インクルーシブ教育の理念に基づき、人権教育や道徳教育の視点から、偏見や差別の未然防止や思いやりの気持ちを育む教育を推進しているところでございます。
また、バリアフリーやユニバーサルデザインについても、体験活動などを通して理解を深め、共生社会の基盤づくりに努めているところでございます。
特別支援教育を推進していくためには、それを担う教員が様々な障害の特性を知ることはもちろん、児童・生徒誰にでも有効な指導方法や環境の整備などについて理解を深めていくことが重要であると強く認識しております。
教育委員会では、これまでもこうしたことに関わる研修や各校での研究を推進してきたところでございますが、今後も区や各校の課題を踏まえながら、さらに充実してまいる所存でございます。
〇近藤 学校は児童・生徒に対し、今までもパラリンピアンによる講習会など、そういったことをいろいろ行ってきたんですね。ただ、子どもたちは、目に見える身体に障害のある方への理解はできても、目に見えない発達障害などの方への理解はなかなかしにくいのだと思います。学校は、児童・生徒が1日で一番長く過ごす場所です。他人を思いやる気持ちを育てる道徳などはとても大事ですので、ぜひこれからも、来年度も取り組んでいただきたいと思います。
また、教師への研修も始められたようですけれど、特別な支援を必要とする児童・生徒がクラスの中で理解され、有意義な学校生活が送れるように、さらなる努力をしていただきたいと思います。
学校における指導以外では、子どもたちに対して、障害のある方への理解を深める取組を考えているとお聞きしましたが、今後はどのような取組を行っていくのですか。
〇菅野障害福祉課長 今年度制定いたしました中野区手話言語条例及び中野区障害者の多様な意思疎通の促進に関する条例の普及啓発の取り組みの一環といたしまして、小学生を対象に、子どもたちが手話に親しむための啓発用の下敷きの配布を予定しております。また、令和3年度は、障害者団体の御協力を得ながら、障害のある方が小学校に出向いて行う出前講座の実施につきまして、現在検討を進めているところでございます。今後も、子どもの頃から障害に関する知識、理解を深められるよう工夫をしてまいります。
〇近藤 ぜひ、アンケート取ると、毎年毎年理解できていないというのは、本当にやっぱり真剣に受け止めなくてはならないと思います。本当に障害のある子、方たちに理解が深まるような取組をしていただきたいと思います。
多様性を受け入れて理解していくというのは、子どもたちにとってはとても時間のかかることですけれど、家庭、学校、地域が一緒になって、人を思いやることができる子供たちをぜひ――子育て先進区なんですから、もうそこを本当に一番大事だと思いますので、ぜひそういったことが伝わる教育ですとか、地域の活動ですとか、率先してやっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 これで私の全ての質問は終わります。ありがとうございました。

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