私の議会報告

令和1年第4回定例会 11月18日 一般質問

1、地域の子ども施設のあり方について
2、(仮称)中野区犯罪被害者等支援条例の考え方について
3、その他 (再犯防止推進計画の策定について)


    1. 1、地域の子ども施設のあり方について

    初めに、地域の子ども施設のあり方について伺います。
    先月、子ども文教委員会と地域包括ケア推進調査特別委員会に、「地域の子ども施設のあり方について」の報告がありました。前区長の方針では、児童館を全廃し、小学校の放課後の居場所は学校の中だけになってしまうところでしたが、酒井区長のもと、新たな児童館が9館配置されることになりました。新たな児童館が9館もできるのですから、大変うれしく、大いに評価したいところです。
    しかし、今回の報告を読み進めると、新たな児童館の主な役割は、相談機能及び地域の子育てに関する課題についての支援等、乳幼児の居場所としての利用、また中高生施設配置の検討、音楽、ダンススタジオ等も検討等と書かれていますが、小学生の放課後の居場所としては形が見えてきません。
    小学生は、学校の中のキッズ・プラザを利用する、学童クラブも学校の中、これでは、2006年、厚生委員会に出された「(仮称)地域子ども家庭支援センター等整備の考え方(案)」でU18プラザを整備していく方針を発表した内容とほとんど変わらず、時代が13年前にさかのぼったような感じです。
    現在、学校内のキッズ・プラザは9館、計画として無理のあったU18プラザはうまくいかず、結局廃止となりました。多くの区民から児童館に対する要望があるからといって、何の計画性もなく、過去の検証もしないまま施設を整備していくのでは、またU18プラザ事業のようにお金と時間をかけて廃止になってしまうのではないかと危惧しています。キッズ・プラザと学童クラブは全て小学校の中に入れていく方針が変わらないとすると、放課後の時間帯、新たな児童館は遊び場として誰が使うのでしょうか。
    また、前区政では、小学校高学年は習い事に行くお子さんが多いので、児童館はあまり使わないとさんざん言っていました。新たな児童館では、放課後の小学生がどのような使い方をすると想定しているのでしょうか。
    私はこれまで、児童館を残していただきたい、小学生が放課後を学校の中だけではなく、一緒に遊び、見守ってくれる職員がいる空間、さまざまな時代の人に見守られて過ごせる空間が必要だとお願いしてきました。報告によると、現時点で校舎改築計画のない啓明小学校、北原小学校、上鷺宮小学校については、増築またはプレハブ設置などの手法で早期にキッズ・プラザや学童クラブの整備を検討するとのことですが、児童館が9館残るのに、空き教室がない学校にお金までかけて、プレハブを建ててキッズ・プラザを整備しなくてはならない理由が全く理解できません。
    地域から児童館をなくし、学校にプレハブを建て、キッズ・プラザと学童クラブをつくった武蔵台小学校の学童クラブは、ことしの4月時点で、中野区の学童クラブで一番多い30人の待機児童を出しています。啓明小学校、北原小学校、上鷺宮小学校、これらの改築予定がない学校のそばにはまだ比較的築年数が新しい児童館があり、現在、乳幼児、小学生等の居場所として使われています。多額の税金を投入し、学校にプレハブ等を建ててまで何が何でも学校内にキッズ・プラザを設置することを改め、残していく9館の児童館を学童クラブと今までのような児童館機能として有効活用すべきと思いますが、いかがでしょうか。
    国は、新・放課後子ども総合プランで、放課後児童クラブ(学童クラブ)、放課後子ども教室、両事業を新たに整備する場合には、学校施設を徹底的に活用することとし、新たに開設する放課後児童クラブの約80%を小学校内で実施していくことを目指すとしています。担当者に電話で確認をしましたところ、何が何でも学校内でというわけではないので、20%の例外を考えているとの話でした。新・放課後子ども総合プランの中には、「地域の実情に応じて社会教育施設や児童館等の小学校以外の施設を活用して、一体型と同様に、共働き家庭等の児童を含めた全ての児童が放課後子ども教室の活動プログラムに参加できるような取組の例も見られるところであり、」との記述もあります。ですから、児童館等の場所がある場合は、わざわざプレハブを建ててまでキッズ・プラザや学童クラブを学校内に設ける必要はないのです。
    現在、小学校の1年生から3年生までの4割以上の児童が学童クラブを利用しています。保育園利用者が毎年ふえている現状を鑑みれば、今後はさらに6割、7割、それ以上の小学生が学童クラブを利用する可能性があるのです。新しい児童館を考える上では、まずは学童保育の需要にどのように応えていくかを検討すべきと思います。当然、過去のU18プラザ事業の検証は行ったとは思いますが、新たな児童館については、子どもたちの需要に合った施設のあり方を財政面、子どもたちの育ち等、さまざまな面で検討すべきと思いますが、いかがでしょうか。
    また、これまでの児童館廃止を念頭に、長年、児童指導等を専門とする職員を採用してきていません。新たな児童館ができるに当たっては、新規採用、経験者採用等による人材の確保が必要になってくると思います。御見解をお聞かせください。

     

    2、(仮称)中野区犯罪被害者等支援条例の考え方について

     次に、(仮称)中野区犯罪被害者等支援条例の考え方について伺います。
    10月7日の厚生委員会で、「(仮称)中野区犯罪被害者等支援条例の考え方について」が示されました。9月17日に関係者懇談会が開かれ、10月29日には意見交換会が開かれました。スピード感を持って条例の制定が行われていることは大いに評価するところです。その具体的な内容について気になる部分を申し上げます。
    懇談会で出された主な意見の中には、条例の名前について意見が載っていません。懇談会で条例の名前について意見は出なかったのでしょうか。もし条例の名前について意見が出たとしたら、主な意見の項目になぜ記載されなかったのでしょうか。
    国の法律は犯罪被害者等基本法であり、その理由は、被害者の権利を守ることは国には責務があるとしているからです。同様に中野区にも被害者の権利を守る責務があるのですから、犯罪被害者等基本条例とすべきであると被害者学の学識者や被害者当事者たちは望んでいます。基本条例ではなくて、あえて支援条例とした理由を教えてください。
    条例の中には、経済的な負担の軽減をはじめ、さまざまな支援策が盛り込まれている点は評価できますが、これらの支援策の中で中野区として独自性のある支援の内容は、何を考えているのでしょうか。
    犯罪被害者等が本当に利用しやすい条例になることが大切と考えますので、より実用性が高い条例制定に向けてなお一層の御尽力をいただけるようにお願いしまして、この項の質問を終わります。

     

    3、再犯防止推進計画の策定について
    次に、その他で、再犯防止推進計画の策定について伺います。
    日本では、平成16年以降、刑法犯の検挙件数は減少していますが、検挙率に占める再犯者率は毎年増加しています。国は、犯罪を減らすために再犯を防止することを重要な取り組みと考え、再犯防止推進計画を策定しました。地方自治体でも計画策定が努力義務となる中、現在、中野区でも再犯防止推進計画の策定作業が進んでいるところです。現司法制度のもとでは、凶悪な犯罪を行った人でも、刑期が終われば、犯罪を行ったことを反省しても反省しなくても、刑務所から私たちの暮らす社会、地域に戻り、一般の人と同じように暮らすことになります。全く反省をせず仮出所にも当てはまらなかった満期出所者には保護観察もつきませんから、再犯防止のためには地域の人たちの力がより必要になってくるのです。
    国の再犯防止推進計画で掲げている七つの課題、就労・住居の確保、保健医療・福祉のサービス利用促進等、どれも大変重要な課題となっています。中でも、犯罪をした者等に犯罪の責任や犯罪被害者等の心情を理解させ、社会復帰のためにみずから努力をさせることは、二度と犯罪を起こさない上で最重要課題となると思いますが、区はこの点をどのように考え、どのように取り組むのでしょうか。大変難しい課題だと思いますが、反省なくして更生はあり得ないと考えます。御見解をお聞かせください。
    以上で私の質問は終わります。御清聴ありがとうございました。
    ○区長(酒井直人) 近藤議員の御質問で、私からはまず、2番目の(仮称)中野区犯罪被害者等支援条例の考え方についてのお答えをいたします。
    まず最初に、犯罪被害者等支援条例の名称についてのお尋ねでございます。まず、9月に行った関係者懇談会では、条例の名称を基本条例としてほしいとの御意見はありましたが、10月の厚生委員会において報告した開催結果における主な意見欄には、全ての御意見を掲載するのではなく、条例に盛り込むべき項目や具体的な支援策、また被害者への理解促進などの発言内容を掲載したところでございます。犯罪被害者等基本法の中では、地方公共団体の責務として、犯罪被害者等の支援等に関し、地域の状況に応じた施策を策定し実施するとあります。こうした点を踏まえて、中野区では、区の基本理念や区及び区民等の責務を明らかにした上で支援施策を総合的に推進し、犯罪被害者等の権利利益を保護する支援条例として検討を進めているところでございます。
    次に、条例に盛り込む支援施策についてのお尋ねでございます。支援施策につきましては、被害者の置かれている状況やさまざまな事情に応じて、身近な自治体として必要とされる適切な支援を盛り込みたいと考えております。具体的には、相談や情報提供のほか、経済的な負担の軽減としての支援金の支給や精神的な被害の回復、法律問題の解決支援など、被害者に必要とされる施策を検討しているところでございます。区としての独自性ある支援策につきましては、各自治体における施策内容や意見交換会等の要望も踏まえながら検討し、お示しをしてまいりたいと考えております。
    次に、その他で、再犯防止推進計画について、犯罪の責任や犯罪被害者の心情を理解させる取り組みについてのお尋ねです。国は、再犯防止推進計画の基本方針に、再犯の防止等に関する施策は犯罪被害者等が存在することを十分に認識して行うことなどを掲げて、刑務所等で犯罪被害者の視点を取り入れた指導や支援等を進めております。策定中の中野区再犯防止推進計画も、犯罪被害者等へ配慮したものとしたいと考えております。

    ○子ども家庭支援担当部長(小田史子) 私からは、地域の子ども施設のあり方についての御質問にお答えいたします。
    初めに、新たな児童館の利用者についての御質問です。放課後の時間帯は、キッズ・プラザを利用しない小学生の遊び場や居場所のほか、乳幼児親子や中高生の利用を考えております。放課後の小学生が卓球やボールゲームなどの遊び、読書、工作などを新たな児童館で行うことを想定してございます。子どもたちが選択できる環境を用意することが重要であると考えております。
    次に、キッズ・プラザの整備についての御質問です。現在、国の新・放課後子ども総合プランにおきまして、放課後児童クラブと放課後子ども教室の小学校内での一体的な実施を推進しており、中野区でも全小学校にキッズ・プラザと併設する学童クラブの整備を進めているところでございます。啓明小学校、北原小学校、上鷺宮小学校の3校におきましても、校内での施設整備や特別教室の放課後の活用など、他区の事例も参考に検討を進めていきたいと考えております。
    次に、新たな児童館の施設機能の検討についての御質問です。新たな児童館は、地域の子育て支援拠点、子どもたちの遊び場の遊びの拠点、子どもと子育て家庭の相談支援拠点、子育て関連団体の活動拠点などを主な役割として想定しております。子どもや子育て家庭、子育て関連団体の御意見も伺いながら、新たな児童館としての機能が十分に発揮できるよう、財政面などを含む多角的な視点から検討していきたいと考えております。
    最後に、児童館職員の人材確保についての御質問です。児童館職員は、地域の子育てに関する団体支援、ボランティアの育成、人材発掘、学校や地域とのネットワークづくりなどで重要な役割を担ってきたと考えております。人材確保につきましては、区が進める地域包括ケア体制の中で検討してまいります。

 

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