私の議会報告

平成28年第4回定例会 11月28日 一般質問

■平成28年第4回定例会 11月28日 一般質問

第四回定例会で近藤さえ子は以下の一般質問をしました。(11月28日)

1 地域包括ケアシステムについて
2、人権尊重・命の教育について


1、地域包括ケアシステムについて伺います。
日本社会は、急速に進む高齢化に伴い、高齢者のみの世帯の増加、高齢者を抱える家族の負担、認知症高齢者の増加など、深刻な状況です。また、社会保障の財源の問題、地域の担い手不足など、多くの問題を抱え、今後、社会全体がこの高齢化社会にどのように取り組んでいくのかが大きな課題となっております。
2025年(平成37年)には、団塊の世代約800万人が75歳以上の後期高齢者になることが予想されるため、国は、2025年をめどに、高齢者が尊厳を保ちながら、重度な要介護状態になっても可能な限り住みなれた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるように、地域の包括的な支援・サービス提供体制構築を推進しています。
この地域包括ケアシステムでは、1、医療、2、介護、3、予防、4、住まい、5、生活支援が日常生活の場で一体に提供されることを目指し、各自治体が自主性や主体性の特徴に応じつくり上げていくことが必要とされ、まさに自治体独自の取組みの力が試されています。
区では、10月に「(仮称)中野区地域包括ケアシステム推進プラン(案)」が議会に示されました。
この推進プラン(案)によれば、地域包括ケアシステムの取組みの柱の1番に「本人の選択/権利擁護」が掲げられ、次のように書かれています。権利擁護の仕組みに守られる区民として、高齢者や障害者、子育て世帯などの全ての人が尊重され、地域で支え合いながら安心して暮らせるまちづくりを区内団体と協力して進めていきます。そのために、高齢者、障害者、子ども、女性、外国人、犯罪被害者等権利を侵害されている状況を知り、その権利について啓発、成年後見制度の普及啓発などを行っていくことが示されています。

 1、中野区では、地域包括ケアシステムの実現に向けた取組みの第1番目に本人の選択/権利擁護をうたっています。その理由、その意義をお聞かせください。

 また、推進プラン(案)の柱の2番目に「地域の見守り支えあい」が示されています。今後ますます超高齢化が進む中、活動の要となる町会・自治会、民生・児童委員等は、団体自体の高齢化も進み、現在、既に取り組まなくてはならない仕事量も多い状態です。
国は、システム構築に当たり、「自助」「共助」「公助」「互助」を柱とすることを明記しています。介護保険・医療保険、民間サービス等の自己負担、家族対応による自助、介護保険・医療保険制度による給付の共助、介護保険・医療保険の公的部分や自治体が提供するサービスなどの公助、そして自治体、住民、ボランティアなどの互助の強化が必要であり、特に都市部ではこの互助を意識的につくっていかなくてはならないと言っています。
区では、地域の実態、支援を必要とする区民を把握し、健康づくりからケアまで一貫した対応体制を整え、地域の資源の確保に努めるとともに、目的に「(仮称)地域力推進チーム」が設置されることになりました。
2、既に4月から国が推進する生活支援コーディネーターが設置されましたが、その実績は上がっているのでしょうか。
3、これまでの生活支援コーディネーターは個人単位の活動でしたが、新たに設けられる(仮称)地域力推進チームはなぜチームという形をとるのでしょうか。どのような構成をお考えなのでしょうか。
また、(仮称)地域力推進チームは、地域住民のケアの充実、地域情報の把握、地域づくりという地域包括ケアシステムの構築の重要な役割を果たしていくことになるチームであるにもかかわらず、保健師は他の業務と兼務の保健師が1人と伺っていますが、それでは大事な住民のケアの部分が賄い切れないと感じます。
4、今後の住民を地域で支える仕組み、地域包括ケアシステムの構築・発展には、(仮称)地域力推進チームの人員の増強が必要と思いますが、御見解を伺います。
行政のしっかりとした方向性と支える体制があってこそ、区民は自分たちで支え合いの活動に参加し、住民パワーを発揮するのだと思います。地域包括ケアシステムにおいて、(仮称)地域力推進チームの役割は大変大きいと思いますので、これからの超高齢化社会の中で住民を支えながらしっかりと動ける職員の質と量を希望して、この項の質問を終わります。

答弁
区長 (田中大輔)
地域包括ケアシステムについて、「本人の選択/権利擁護」という柱立て、この意義についての御質問です。高齢者や障害者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには、地域の見守りなどの支援のほかに、本人の選択によって必要とする介護や保健福祉のサービスを過不足なく利用できることが前提となります。御本人の意思を守るということ、このことが尊厳性を守っていくということにつながっているわけだと思います。このためには、認知症などにより判断能力が衰えた方々が、成年後見制度などを活用し、各種サービスの利用に際して不利益を被らず、また財産が適切に管理されるなど、その人の権利が守られている状態を実現することが重要であると考えております。
生活支援コーディネーターの成果と今後の方向性について。本年度配置した生活支援コーディネーターは、生活支援・介護予防サービスの提供体制の構築に向け、既存の社会資源の洗い出しや新たなサービスの担い手の発掘とこれらのネットワークづくりに取り組んでおります。区が目指す地域包括ケア体制は、子どもから高齢者、障害者まで全ての区民への支援体制の構築と地域社会づくりであり、このためのコーディネートには、事務職のほか、医療や福祉の専門職による組織的なアプローチが必要になるものと考えております。現在、この組織体制について、「(仮称)地域力推進チーム」として検討を行っているところであります。必要となる人員につきましては、適宜業務量等を精査しながら配置に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上です。

2 人権尊重・命の教育について

 次に、人権尊重・命の教育について伺います。
文部科学省は、「人権教育」の目標を、一人ひとりの児童生徒がその発達段階に応じ、人権の意義・内容や重要性について理解し、「自分の大切さとともに他の人の大切さを認めること」ができるようになり、それが様々な場面や状況下での具体的な態度や行動に表れるとともに、人権が尊重される社会づくりに向けた行動につながるようにすることであると、「人権教育の実践が、民主的な社会及び国家の形成発展に努める人間の育成、平和的な国際社会の実現に貢献できる人間の育成につながっていくもの」と考え、各学校において、児童生徒や学校の実態等に応じて人権教育の目標を具体的に設定し、主体的な取組みを進めることが必要であると言います。
私は、暴力や犯罪などの人権侵害被害を受けた方々を支援する人たちや、他の自治体の職員、警察の方々などと話す機会を持つたびに、今までの中野区が取り組んできた人権尊重教育の授業を例に紹介します。この中野区の人権教育は多くの皆さんに称賛されてきました。
例えば平成19年度と平成20年度、東京都の人権尊重教育指定校として中野中央中学校、武蔵台小学校、平成21年度、平成22年度は鷺宮、上鷺宮地区が人権教育総合推進地域の指定を受け、人権課題への総合的な取組みを行ってきました。
私も幾つもの授業に参加しましたが、ある中学校で授業を担当した社会科の教師は、忙しい時間をやりくりして前もって講師に面会し、人権迫害に遭うということについて自らが学び、児童生徒に命の大事さを伝えるために、授業の前に教師自身が理解を深め、勉強されている姿に大変感心をいたしました。
このような命の尊さを教える授業を児童生徒たちの心の響くものにするためには、人権分野に精通した人権施策担当の部署との連携や教師の人権意識を高める努力が必要であると考えます。
子ども、女性、障害の三つの角度から質問させていただきます。
他者を思いやる心や命を大切にする授業を児童生徒たちの心に響く授業にするためには、教師もその本質を理解しなければ伝えることができません。特に人の生死に向き合ったことのない人生経験の少ない教員にとっては、児童生徒の命の大切さを伝えることは難しいと感じます。
1、子どもたちに他人を尊重し、自分も大事にする心を育てるために教師はどのような研修や講義を受けているのでしょうか。
以前、中野区が行っていた「デートDV防止授業」、男女がお互いの違いを認めつつ、個人として尊重される男女両性の本質的平等の理念を学ばせるために、生徒たちが実際のデートを仮定し、話し合う授業について、生徒たちは目を輝かせて体験していました。現在は行われていないと聞きます。

2、現在は男女平等推進教育に係る授業はどのように取り組んでいるのでしょうか。人権施策担当との連携はあるのでしょうか。

3、また、児童生徒に様々な違いを受け入れる寛容な心を育てる教育の必要があると思いますが、外部評価の学校教育に関するアンケートの結果、学校は特別支援教育や発達障害等に対して保護者への説明を行っているかの項目では、「十分行われている」は少なく、「不十分」「答えられない・わからない」との評価が多いのですが、特別な支援を必要とする子どもたちに対する理解を高めるためにどのような取組みを行っているのでしょうか。

今、社会で起きている高齢者をだます詐欺事件、ポケモンGO等のよそ見運転で子どもの命を犠牲にした事件など、もし加害者が他者を尊重する心を持っていれば悲しい事件は起きてはいないのではないかと思われます。他者を尊重し、命の尊さを教える教育は簡単なものではありません。また、学校には取り組むべき課題が多く、教師は多忙を極めていますが、今後も他者の命も自分の命もどちらも大事な命であることがしっかりと心に響き、児童生徒に規範意識を高める人権教育の充実をお願いしたいと思います。御見解を伺います。

答弁
○教育長(田辺裕子) 人権尊重・命の教育について、初めに、教員研修の受講状況と内容についてお答えをいたします。教員みずからの人権感覚を磨くためにも、人権尊重教育研修を受講することは重要であり、どの区も人権に関する研修を充実させ、管理職を始めとして各校の教員が受講している状況でございます。研修内容は、例えば本年度の人権尊重教育研修では、国立ハンセン病資料館を訪れ、資料館の方から説明を受けたり、いじめ防止と自殺予防について講演を聞いたりしているところでございます。
人権・男女共同参画担当と連携した授業の実施についてです。男女共同参画に関わる授業については、本年度は小学校1校で実施をしてございます。なお、本年度は中学2年生を対象に男女共同参画意識の調査を実施し、今後の取組みに生かすように進めているところでございます。
次に、特別支援教育理解促進の取組みについてです。特別支援教育は、障害のある児童生徒に応じた適切な指導や必要な支援を行うものであるとともに、障害のある児童生徒と障害のない児童生徒の相互理解促進を図り、共生社会の実現を目指すことも目的としているものでございます。このため、保護者の理解促進は欠かせないものと考えており、教育委員会においてパンフレットを作成し、全家庭に配布してございます。また、各校において学校だよりで特集を組んだり、保護者会に合わせて講演会を開催するなど、わかりやすく伝える取組みを行っているところでございます。
最後に、命の大切さを教える取組みの充実について。中野区立学校における学校教育の指導目標の基本方針に「生命を大切にする教育の推進」を掲げており、様々な教育活動を通して推進していくこととしてございます。

 

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