私の議会報告

平成28年第1回定例会 2月23日 一般質問

■平成28年第1回定例会 2月23日 一般質問

平成28年第一回定例会で近藤さえ子は以下の一般質問をしました。(2月23日)

 1、U18プラザの廃止について


 1月に議会に示された新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)に記載されたU18プラザの廃止の文字に、私は大変驚きました。素案から改定素案までわずか3カ月でU18プラザ廃止が決定されたのです。私は10年間にわたり、児童館機能を見直し、U18プラザを9館つくる構想には無理があり、納得できないこと、具体的にどのような計画になるのかを何度も質問してまいりました。ここでスタートから振り返ってみます。

 2005年「中野区次世代育成支援行動計画(前期計画)」において、「児童館の機能の転換」、2006年「新しい中野をつくる10か年計画(平成17年度から平成26年度)」の小学生の居場所を、小学校を起点として中高生館を整備する。2007年「子どもと家庭を支える地域づくり方針」(仮称)地域子ども家庭支援センター等整備で具体的に示された(仮称)キッズ・プラザ事業と(仮称)U18プラザ及び城山ふれあいの家の構想。このような計画は提示されましたが、結局U18プラザについてのしっかりした基本方針も持たないまま、9館の児童館を中高生までの居場所と決め、予算をつけてきました。

 そもそも児童館は、小学生までの子どもたちのための仕様で、中高生の施設としてはつくられていないにもかかわらず、無理をおしてU18プラザ計画を実行しなくてはならなくなった9館のU18プラザ館への移行指定館では職員たちは大変苦労し、地域の方々、さらには高校生や大学生にも声をかけ、知恵を絞り、中高生のための事業を行ってきました。区の計画に違和感を持ちながらも、保護者や地域の方はU18プラザが成功することに今まで尽力してきました。しかし、地元の児童館では、児童館で行うU18プラザ事業に中高生はほとんど集まりませんでした。多くの区民が最初から懸念していたようにU18プラザの計画は失敗してしまいましたが、区はその原因をどのようにとらえているのでしょうか。

 中野区は、かつて多くの中高生や若者が利用してきた南部青年館、野方青年館を区民の反対の声があるにもかかわらず廃止しました。近年、平日の夕方は誰もが入れる区民活動センター等の自由スペースはゲームをする中学生、ふざけ合う中学生等で混み合い、うるさいほどのにぎわいです。やはり学校と家以外の居場所が欲しい中学生は大勢いることがわかります。特になにをするのでもなく、立ち寄れる場所が欲しいのは大人も同じです。中高生がお金を使わずに放課後を自由に過ごせる場所は必要です。私は10年前から中高生にも居場所をつくるという考え方には共感しながらも、その機能を児童館につくることに無理があると申し上げてきました。

 2007年、杉並区の児童青少年センターと男女平等推進センターとの複合的施設「ゆう杉並」を視察し、体育館、音楽スタジオ、演劇ホール、工芸・調理・ゲーム室、学習室の充実を目の当たりにして、子育てに力を注ぐことに真剣に取り組む杉並区を高く評価しました。「ゆう杉並」は開設から20年近くになりますが、毎日200人もの利用者でにぎわっています。その内訳は、高校生が110人、中学生が50人でした。

 この視察体験からも、U18プラザと名づけたスペースだけをつくっても、中高生は関心を示さないこと、朝から乳幼児を迎え、午後は小学生を受け入れる児童館では、さらに夕方から中高生に対応するには広さやシステム、職員の対応等、あまりにも無理があることを何度も申し上げてまいりました。「児童館に場所をつくれば中高生が集まる」という安易な発想、しっかりとした基本計画案も持たずに、U18の名前だけが走り続けた施策が今回のU18プラザの廃止になったのではないでしょうか。

 U18プラザは廃止だからといって、中高生の居場所が不要となるわけではありません。前回、2015年10月、「新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(素案)(平成28年から平成37年度)」では、小学校内にキッズ・プラザを整備するということで、中高生のU18プラザの記載はありませんでした。今回、2016年1月、「新しい中野をつくる10か年計画(第3次)(改定素案)」で小学校内へキッズ・プラザの整備、そして唐突にU18プラザの廃止が掲げられました。「次世代育成支援行動計画(前期計画)」から始まり、「子どもと家庭を支える地域づくり方針」、「(仮称)地域子ども家庭支援センター等の整備に関する基本的な考え方」の中で、「これまで小学生中心に健全育成の取り組みを主に地域の児童館でやってきた。今後は一人ひとりの個別課題への対応や妊娠期及び乳幼児から18歳までの全年齢の子どもたちを対象とした事業展開等を通して、既存の施設を地域の子どもの施設として活用しながら、家庭、地域、学校が連携した子どもたちの成長に合った自立の支援のための環境づくりが必要であり、中高生の居場所を9館の(仮称)U18プラザとする」と2007年に具体的計画が示されたことを受けて、次世代委員たち、保護者たち等は必死にその環境づくりに取り組んできたのです。「児童館で中高生も過ごすの」と違和感を持ちながらも、区の政策を応援してきたのです。この10年間は何だったのでしょうか。

 平成17年度からの新しい中野をつくる10か年計画、1次から2次計画、3次計画素案までの間、つくります、つくりますと言ってきた中高生が使える施設は、今後はつくらないということなのでしょうか。

 U18プラザが廃止され、小学校内へキッズ・プラザの整備を進めることで既存の児童館はなくなっていくと考えられます。これまで中野区の児童館では、職員一人ひとりが乳幼児から小学生までの子どもと向き合い、また、保護者とも親しくつき合ってきました。毎日子ども同士が遊ぶ様子を見ている職員は、子どもたちの生活の様子も把握していて、子どものことで悩む保護者に的確なアドバイスもしてきました。さらに、子どもたちにとっては小学校を卒業して中学生になっても、ふと立ち寄り、自分の話を聞いてもらえる場所であり、顔見知りの職員はかけがえのない兄貴や姉貴でした。まさに児童館は学校、地域、家庭を結んでくれる存在であり、そこの職員たちは長年にわたり青少年の健全育成に大きく寄与してきました。また、保護者たちも児童館で子育てを共有した職員や仲間とともに悩み、子育てにより自分たちも成長し、かかわった周囲の人たちに感謝し、やがて地域の子育てに積極的にかかわるようになっていきました。まさに子どもと家庭を支える地域づくりを長年にわたって実践してきた児童館、私はこの中野区が誇れる施設がなくなっていくことは残念でなりません。

 かつて中野区は、放課後家に帰れない小学生を学校内の学童クラブという1カ所に長時間とどめておくことは成長過程に問題が生じるおそれがあるとの観点をも考慮して、学校の地域に子どもたちの放課後の居場所である児童館を整備してきたと聞いています。U18プラザの廃止に伴い児童館がなくなれば、小学生が雨の日でも遊べる居場所は学校だけとなってしまいます。子どもたちの成長過程や健全育成についても考慮していらっしゃるのでしょうか。お考えをお聞かせください。

 2007年、区が打ち出した「子どもと家庭を支える地域づくり」の方針どおり、「妊娠期及び乳幼児から18歳までの全年齢の子どもたちを対象とした事業展開を通し、家庭、地域、学校が連携した子供たちの成長に合った自立の支援のための環境づくり」の必要性は今も変わっておりません。

 名前は変わっても、現在の児童館のように異世代が交流でき、継続的に子どもたちを見守り支える人がいて、子どもたちがのびのび遊べる施設をなくさないでいただきたい。私立学校に通い、地元の友達がいない子どもや保護者、また、不登校になり、なかなか学校に通えない子どもでも足を運べる、皆が行くことができる施設を学校以外に残していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 2つ目の質問として、不適切なごみの投棄について通告していたのですけれども、別の機会にさせていただきます。取材に足を運んでくださった理事者の方は申しわけございませんでした。その他はございません。

 これで私の質問は終わります。ありがとうございました。

区長 近藤議員の御質問にお答えいたします。

 U18プラザの廃止ということで、さまざまな御見解が示されたところです。U18プラザでは、乳幼児親子の交流促進や相談支援、子どもの年代に応じたさまざまな活動機会の提供や支援、また、地域における活動団体の連携促進や支援などを目指してきましたが、そうした機能について必ずしも十分に果たしていない実情であると、このように考えております。中高生や若者の活動支援については、多様なニーズや興味、関心に応え、魅力ある事業とするため、地域の多様な資源や人材を活用するとともに、若者支援のノウハウを持つNPOなど民間団体の活用が有効と考えており、今後はさまざまな施設等を活用しながら多様な事業の展開を図っていきたいと考えております。

 児童館に関連して、小学生の居場所、あるいは学校外の施設ということでの御質問であります。キッズ・プラザ事業は、学校教育の延長として実施するものではなく、すこやか福祉センターが地域や学校と連携して運営する児童健全育成事業であります。放課後の校庭や体育館を利用することで子どもたちの活動の幅を広げていきたい、このように考えております。キッズ・プラザでは、児童館と同様に、引き続き地域の力、支え手の協力を得ながら世代間の交流や子供の成長に合わせたさまざまなプログラムの工夫など、さらに充実を図ってまいりたいと考えております。

 再質問させていただきます。

 私が長々と申し上げてきて、中高生の居場所をつくると計画でおっしゃってきたけれども、今後はもう中高生の居場所はつくらないということなのでしょうか。それと、小学生の学校の中だけにしてしまうというのは健全育成の観点からどういうふうにお考えかということを、お答えがなかったようですので、もう一度お願いいたします。

区長 具体的に中高生の専用施設といったようなものについて、構想してきたということはないと私は思っております。中学生や若者の活動支援については、多様なニーズや興味、関心に応え、魅力ある事業とするため、さまざまな施設等を活用しながら多様な事業の展開を図っていきたいと、このように思っております。

 キッズ・プラザ事業について、学校教育の延長として実施するものではなく、放課後の校庭や体育館を活用しながら児童館と同様に地域の力、皆様の協力を得ながら世代間の交流や子どもの成長に合わせたさまざまなプログラムの工夫など、さらに充実を図ってまいりたい、このようにお答えをしたところであります。

近藤さえ子 再々質問させていただきます。

9館中高生館をつくるということはずっと計画で言ってきたと思うのですけれども、今、区長はつくらないというようなことをおっしゃっていたんですけれども、そこら辺をもう一度教えてください。

区長 U18プラザを9館つくるというような構想になっていたということだと思っています。U18プラザを中高生の専用館というふうにはお話をしたことはありません。U18プラザでは乳幼児親子の交流促進や相談支援、子どもの年代に応じた多様な活動機会の提供や支援、地域における活動団体の連携促進支援などを目指してきたということであります。そうした機能について、必ずしも十分に果たせていないような認識から、今回の考え方になりました。

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