私の議会報告

平成27年第1回定例会 2月27日 一般質問

■認知症施策推進事業について

10年後、65歳以上の5人に1人が認知症になると推定される中、政府は今年1月、「認知症施策推進総合戦略・新オレンジプラン」を決定しました。その中で、医療・介護・予防・生活支援・住まいが一体的に提供され、たとえ認知症になっても、その人の意志が尊重され、住み慣れた地域の良い環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指すとしています。若年患者を中心とした認知症当事者の会も出来、まさしく今年、平成27年は、認知症施策の構築にとって重要な節目の年なのです。
 平成25年第3回定例会において、私は認知症対策の質問をしましたが、ここで再度「認知症施策推進事業」の組み立てについて伺います。
 昨年11月・12月の「中野区健康福祉総合推進計画2015(案)等の3計画素案」説明会の中で、「地域支えあいについて、地域包括支援センターはよくやっているが、すこやか福祉センターの動きは見えてこない。連携させれば良いのではないか」と言う意見が出されました。これに対し、区は、「地域包括支援センターはすこやか福祉センターの一部であり、区の保健師等と地域包括支援センターとの連携により、相談・支援の体制を作っている」と答えました。しかし、高齢者の問題として重要な部分を占めていく認知症の早期発見、早期治療等についてのすこやかの福祉センターの職員の仕事内容は区民に良く知られていません。

すこやか福祉センターの職員は認知症対策について、どのような役割をはたしているのでしょうか。すこやか福祉センターから地域包括支援センターに相談を繋げる以外の役割を教えてください。

1年半前にも私は、認知症コーディネーター、認知症地域支援推進員の配置などを伺い、認知症対策は喫緊の課題にも関わらず、職員配置が少ないことを危惧していることを申し上げました。その時の答弁では、「現在、中野区では、認知症についても地域包括支援センターが医療・介護の連携、あるいは地域のネットワークづくりといったような役割を担っている。介護・医療の連携や地域での支援体制構築のため、専門人材の活用や配置のあり方についても今後検討してまいりたい」とのことでした。

専門人材の活用や配置の在り方、を検討された結果、どのような専門員が活用され、どのような配置になったのでしょうか?

 認知症コーディネーターは、認知症の疑いのある人の早期把握、地域包括支援センター、介護事業者等から認知症に関する相談の受付、認知症の疑いのある人を訪問して、認知症の状況を把握、かかりつけ医や介護事業者と連携しながら、医療機関の受診を促進、認知症アウトリーチチームに訪問依頼をして同行訪問、個別ケース会議の開催など、認知症の早期発見・早期治療には欠かせない役割を担っています。しかし、中野区では認知症コーディネーターは、他の業務と兼任職員が1人本庁に居るだけです。23区の他区では、江東区10人、品川区3人、中野区と同じく浴風会を認知症疾患医療センターとしてアウトリーチチーム体制を築く杉並区は4人・新宿区は2人、認知症コーディネーターを配置しています。

認知症コーディネーターが0.5人体制は、3区中1区だけです。この体制で実際に認知症の早期発見・早期治療が可能なのでしょうか。

また、中野区では、区民に認知症を周知していく「認知症サポーター講座」も認知症コーディネーターと同じ職員が担っています。自治体が取り組まなくてはならない喫緊の課題に対し、余りに手薄な体制ではないでしょうか。
すこやかは福祉センターが相談の窓口であり、地域ケア会議の主催者であるのでしたら、せめて、北部・南部圏内に1人ずつ認知症コーディネーターを置くべきではないでしょうか。あるいは、本庁に1人だけ配置の体制であれば、医療機関、介護サービス及び地域の支援機関を繋ぐコーディネーターとしての役割を果たす認知症地域支援推進員を地域包括支援センターやすこやか福祉センターのような住民に近い場所に配置するなど、複数の専門員が認知症の早期発見・早期治療に向けて取り組まなければならないと思います。例えば、江東区では認知症コーディネーターを10人配置し、さらに本庁に1人、地域包括支援センターに19人(各センター2人づつ)の認知症地域支援推進員配置の体制を取っています。
前回の質問の中で紹介した、中野区に認知症カフェを開きたいと話されていた医師は、市内7箇所に認知症相談窓口を持ち、認知症施策に力を入れている三鷹市に、今年1月認知症カフェ兼クリニックをオープンされました。このように真摯に取り組む医師も待つことができないほど、認知症対策は放っておくことのできない喫緊の課題なのです。 「専門人材のかつようや配置について考えている」時間はなく、中野区もすぐに体制を整える時がきていると私は思います。

行政と地域、各機関を結ぶコーディネーター、認知症対策に専門的に関われる職員をすこやか福祉センターや地域包括支援センターへ配置すること、早急の体制構築を求めますが、いかがでしょうか。

これまで元気で逞しく、地域を支える要となり活躍された方々が、支える側から引退され、支えられる側になって行きます。その区民がいつまでも住み続けられる、高齢者に優しい中野区、そして、認知症対応施策も整った中野区を目指すため、早急な対応をお願いして、私の質問といたします。

■地域支えあい推進室長 答弁

1.すこやか福祉センターの認知症高齢者の現在の対応についてお答えします。

すこやか福祉センターでは、介護や保険、生活支援など、日常的にあらゆる相談に応じてございます。認知症につきましては、ご家族からの相談をお受けしたり、医療機関への紹介をしている他に、個別の状況に寄っては、アウトリーチによる訪問活動なども実施しております。
また認知症が疑われる高齢者の方につきましては、地域住民からのご相談があった場合には、現状を十分に把握した上で必要な支援を行っています。

健康福祉部長 答弁

2.認知症に関する専門人材の活用についてのご質問でございます。

認知症対策を推進する上では、区民への相談対応にあたる地域包括支援センター或いは、すこやか福祉センターをバックアップし、また、認知症疾患医療センター等の専門機関との連絡調整にあたる人材が必要です。また、中野区の事情に応じた医療・介護の連携体制構築するための人材も必要です。このような視点から健康福祉部福祉推進担当に保健師を配置しましてこれらのコーディネートの役割を担わせている所でございます。つきましては、まあ、早期対応、軽度認知障害、いわゆるNCI等の気づきや発見は介護予防や自己チェックリストなどに寄る認知症についての普及啓発事業の推進によって早期発見につなげていきたいと言うふうに思っております。現時点での所、区の認知症コーディネーターはすこやか福祉センター等が苦慮する困難事例への初期集中支援を中心に活動していますので、現状で十分対応できているというふうに認識してございます。

3.さらにコーディネーターの地域配置、増員については、今後、中野区に置きましても後期高齢者人口が拡大してまいります。これに伴いまして認知症コーディネーター等の専門人員の体制、或いは配置につきましては、適宜適切に対応してまいりたいと思います。

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