私の議会報告

令和5年 第1回定例会 2月15日 一般質問

1 子育て先進区について
2 その他


1,子育て先進区について
 区は、子育て先進区を目指すことに取り組み、施政方針説明には、現場の課題とニーズを把握し、スピーディーに対応するのが基礎的自治体です、中野区は、子育て世代や地域の皆さん、さらに、子どもたちと対話を重ね、子育て・子育ちの課題を明らかにし、それらの解決に向けて尽力していますとあります。
 子育てしやすく、子どもに優しいまちをつくる取組は、私も大賛成です。ただ、気になるのは、区は子育て世代のニーズを捉えて対応していますが、それは現在子育て中の区民からの声であり、結婚したい、家庭を持ちたいと思っていても経済的に自立できずに諦めざるを得ない若者たちの存在には全く触れていないことです。本来子育て先進区の主役になるはずの若者たちの多くが、非正規雇用で働く、あるいは仕事が持てないなど、結婚も子どもを持つことも諦めているのです。
 正規職員と非正規職員では、年収に2倍以上の差があり、総務省の調査では、30代の非正規雇用の未婚率は、正規雇用の2倍から2.5倍であると言います。子育て先進区を進めていくには、まずは若者の経済的な自立を図ることが必要と考えます。残念なことに、施政方針説明にはこのような若者たちへのサポートについては一つも載っていません。
 区内中小企業の支援策であり、うまく運営できれば若者の地域での雇用につながったはずの就労求人支援サイト「ぐっJOBなかの」は、登録事業者数や求人情報数、アクセス数が伸びず、令和4年度でサイトの運営が終了となり、若者と地域事業者とのマッチングの機会がなくなりました。
 昨年、大田区が開設した若者サポートセンター「フラットおおた」では、15歳から39歳までの若者に対して、不登校やひきこもり、家庭関係の悩みなどをスタッフが聞き取り、児童福祉や教育だけではなく、就労支援にもつなげていると聞きます。
 中野区でも子ども・若者支援センターは開設しましたが、若者の就労支援につながる仕組みにはなっていません。区は、若者の経済的な自立のためにどのような支援を行っているのでしょうか。
 私は、昨年の暮れから、20代から30代の未婚の若者と、この世代の子どもを持つ親たち20人ほどに、少子化の原因について尋ねてみました。その回答として最も多かったのは、女子は、仕事と子育ての両立が厳しい、また、男子は、経済的に無理という内容でした。結婚して家庭を持ちたい、子どもが欲しいと希望していても、先の見えない不安や失望感により諦めざるを得ない若者たちが少なくないことを痛感しました。
 このまま若者が結婚や子育てを諦めていく状況が続けば、区が目指す多くの子どもと子育て家庭から選ばれるまちどころか、極端な少子化による区全体の活力さえもなくなってしまうのではないかと私は危惧しています。
 子育て先進区の実現に向けてスピーディーに取り組む姿勢を若者の経済的自立のために就労支援にも向けてはいかがでしょうか。今後の区の取組を伺います。

 

2,その他で、再犯防止の取組について伺います。
警察庁の犯罪情報統計によると、昨年1年間の刑法犯認知件数は、前年度比5.9%増の60万1,389件となり、20年ぶりに増加しました。殺人や性犯罪などの重要犯罪は、前年度比715件増の9,536件です。この中には、関東各地で相次いだ闇バイトによる強盗事件も含まれています。
どんな凶悪な犯罪を起こした加害者でも、刑期を終えれば刑務所を出所し、普通の我々と同じく、一般人として地域で生活することになります。そして、その後の加害者の更生を国から任されているのは、地域の住民たちです。
私は、令和3年第3回定例会の再犯防止の取組についての質問の一つに、犯罪被害者の視点を取り入れた研修や普及啓発を行うことが大切ではないかと述べ、これに対する答弁は、今後、犯罪被害者支援の取組と連携を図りながら、犯罪被害者たちの視点を取り入れ、地域で更生保護に携わる人たちを対象とした研修や普及啓発を実施してまいりますというものでした。実際に研修や普及啓発は実施されたのでしょうか。
犯罪被害者たちは、国に対して、刑の適正化や刑務所内での反省、贖罪の気持ちを育てる取組を要望し、昨年の刑法の一部改正では、被害者の気持ちを加害者に伝える心情等伝達制度が保護観察期間以前の刑務所の収容時に行われることに改善されました。国も、加害者の衣食住の安定や経済力をつけることが加害者を更生させることであると長年考えてきましたが、被害者たちの状況を知ることで少しずつ変わり始めてきています。
犯罪をした人が地域に戻り、生活をするに当たり、区は決して地元地域に任せきりにすることがないように対応しなければならないと思いますが、いかがでしょうか。
中野区の更生保護活動に関わる方々と共に様々な立場の人の話に耳を傾け、区としても知識を増やし、更生保護活動を進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
御清聴ありがとうございました。

○区長 近藤議員の御質問にお答えいたします。
私からは、再犯防止推進の取組についてで、最初に、今年度の取組についてでございます。犯罪をした人、犯罪の被害に遭った人等、生きづらさを抱える人を支援する体制の構築のために、保護司には、すこやか地域ケア会議や再犯防止推進支援者研修会への参加を促して、地域における支援者間のネットワークづくりを図っているところであります。1月に開催した再犯防止推進支援者研修会におきましては、講義のほか、更生保護活動の体験談、グループディスカッションを行い、参加者からは、支援者間のネットワークが広がり、今後も研修会の継続開催を希望する声を聞くことができました。
次に、支援者のネットワークの強化に向けてでございます。区は、支援者間のネットワークを強固にし、様々なケースに対してワンチームで対応ができるように、再犯防止推進支援者研修会の継続開催やすこやか地域ケア会議での事例検討を重ねていきたいと考えております。

○文化・産業振興担当部長(高橋昭彦) 子育て先進区についての御質問にお答えいたします。
一つ目に、これまでの若者の経済的な自立への支援についてでございます。区では、若者の経済的自立に向けた就労支援として、ぐっJOBなかののほか、ハローワーク新宿、杉並区との共催によりまして、39歳以下を対象とした若者就労相談面接会を実施してきているところでございます。
もう一つ、これからの若者が経済的に自立するための就労支援についての御質問です。子育て先進区を目指していく上で、若者が経済的に自立するための支援を行うことは重要な要素であると考えてございます。今後も、区の就職面接会などを通じて若者と区内事業者等を結びつける機会を確保するとともに、他都市での先進事例などを参考にして研究してまいりたい、そのように考えてございます。

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