私の議会報告

令和3年 第2回定例会 6月3日 一般質問

1、一人暮らしの高齢者への対応について

(1)新型コロナウィルスワクチン接種について
(2)一人暮らしの高齢者の孤独死について


(1)新型コロナウイルス感染予防のためのワクチン接種が75歳以上の高齢者の方から段階的に進められてきました。75歳以上の高齢者宛てに接種券が届いた4月の中旬には、接種券と同封されていた説明書があまりにも分かりにくく、新たに説明書を区報に折り込み、対象者には再度はがきを発送するという事態になりました。御家族の方が見ても分かりにくかった説明書。医療従事者等、高齢者、基礎疾患のある方等から順次接種する予定であるなどとワクチン接種までの流れが書かれていましたが、具体的に75歳以上の高齢者はいつ、どこに行けば接種することができて、そのためにはいつ、どこに、どのように予約すればよいのかという、一番単純で大事な内容を説明書から読み取ることができませんでした。

  より多くの75歳以上の方にスムーズに接種していただくためには、まず、何よりも分かりやすい説明書が手元に届くことが大事だったと考えますが、なぜあのように分かりにくい案内になってしまったのでしょうか。

これはワクチン接種の説明書に限りませんが、高齢者への説明文は一番伝えたいことを大きく、端的に伝えることが大事です。75歳以上の方の多くがコロナワクチンナビ、二次元コードは活用できませんでした。今後は当事者の目線を持って、分かりやすい案内を作成・発送していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

4月21日の予約開始日には、娘さんが実家を訪れ、200回ぐらい予約コールセンターに電話をし、ようやくつながったと思ったら、システムの不具合で23日に延期になってしまった等の声が私のところに寄せられました。75歳以上の高齢者のいらっしゃる家族、当事者たちは、家族で、御近所で、かかりつけ医で、床屋さんなどの行きつけの場所で、ワクチン接種の予約が大きな話題となりました。

当初の混乱はありましたが、5月26日のマスコミ報道では、中野区のやり方がうまくいっている例として取り上げられていました。146か所の医療機関、かかりつけ医でワクチン接種ができる体制をつくれたこと、6月10日からは16歳から64歳の方に接種券発送という段階になっていることなど、テレビ番組出演の感染症の専門医やコメンテーターも中野区のやり方を評価していました。

そして、さらに5月31日から6月25日までに、区の職員が要支援者台帳システムを活用し、70歳以上の単身世帯と75歳以上の高齢者のみ世帯でまだ未接種の方に対し電話をして、区民活動センターでの予約のお手伝いなどをするという対応をされるということです。アウトリーチ活動を進めている部署が高齢者に対してさらなる呼びかけをすることはとてもよいことであると思います。

しかし、電話に出てもこの内容を理解できない、電話をもらったからといって区民活動センターまで行って予約をすることもできない、真に支援が必要な高齢者への対応はこの期間に予定しないと伺いました。情報が届かない、予約のサポートをしてくれる場所まで自力で行くことができない高齢者へは、今後どのような対応をするのかとお聞きしようと思っていましたが、他の議員の方が質問されていましたので割愛させていただきます。個々の事情に寄り添った支援をお願いして、次の質問に入ります。

(2)一人暮らしの高齢者の孤独死について伺います。

 1年ほど前に、御近所の戸建て住宅に住まわれていた一人暮らしの高齢者が亡くなりました。死亡してから発見されるまで1年近くたっていたそうです。最近見かけないと気にされた御近所の方がアウトリーチチームに連絡し、警察も入り、家の中で亡くなっていることが判明しました。お元気で経済的にも自立されていた高齢者でしたので、介護保険の利用等も公的関与も定期的な通院などもなかったようです。たまたま民生委員の欠員地区で、他の地域の民生委員との関わりは分かりませんが、発見が遅れた孤独死となってしまいました。

大変お気の毒な結果になってしまいましたが、95歳は超えていらっしゃると思われるお年まで経済的にも身体的にも自立され、自宅で自由に過ごすことができて、お幸せであったのではないかと近隣の皆さんは話されていました。しかし、他人といえども見守ることができずに近隣高齢者が亡くなったことを考えれば、そのように思い、苦しい胸の内を表現することしかできなかったと思います。

問題はここからです。あるじ不在となった家のポストからは、区報、「わたしの便利帳」、銀行等からの通知等がはみ出ていました。見かねた御近所の方が「火でもつけられたら怖い。何とかしてもらいたい」と私に連絡をしてきました。急に住民が不在になることは実際によくあり得ることです。今回のように死亡された場合だけではなく、急に入院することになった、高齢者が急に施設に入るなどの場合もあります。親族やヘルパーさんなどとのつながりのある方は他人へも連絡できますが、本人が連絡しない限り、御近所に知らせることもできません。御近所では、今どういう状況であるのかを知るすべがありません。

アウトリーチチーム、民生委員、町会などには、一人暮らしの高齢者の所在や安否確認をするシステムがあるのでしょうか。入院、施設入所をされているのか、御存命なのかなどを区はどのような形で把握しているのでしょうか。

関わる親族がいない場合、一人暮らしで亡くなった場合、電話、ガス、電気等のライフラインの解約、また、銀行や証券などの解約は誰がされるのでしょうか。ポストからあふれ出ていた書類を見る限り、誰も何もしないまま1年以上がたっていたように思えます。身寄りのない方が突然亡くなった状況に対して、区はどのように対応しているのでしょうか。

今後も起こると思われる高齢者の一人暮らしの方の緊急事態に対して、今回のケース事例を参考にして、できることから解決していくことが必要であると思います。

一人暮らし等で亡くなられた高齢者は、身元が確認できないということが起こります。警察が関与する事案となる場合も想定し、区が保管する緊急連絡カード等に、本人を特定できる情報、緊急のときに連絡する親族だけではなく、かかりつけ歯科、かかりつけ医等の記載欄を設けて、なるべく多くの情報から本人確認がスムーズにできるようになる必要があると思いますが、いかがでしょうか。

明らかに郵便物や区報等がたまっている場合、区報を配るシルバー人材センターの方から区のアウトリーチチームなどに連絡が行く仕組みをつくることで、具合が悪くポストまで出られない場合も亡くなられていた場合も早期に発見されることができます。住民不在の家に区報など区のお知らせ等を配布し続けることのないように指導していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

区報や「わたしの便利帳」などがポストにたまっているというSOSはどこにも届かず、たまたま私の元に連絡が入りました。区報は約2週間に一度配られます。しかし、郵便局や区報を配布するシルバー人材センターは高齢者見守り協定には入っていないと伺いました。高齢者見守り協定は機能しているのでしょうか。一番身近な郵便局と区報の配布を担当するシルバー人材センターを見守り協定に入れるべきではないでしょうか。

地域住民は、近所の一人暮らしの高齢者を見守れなかったことを悲しみ、さらに、あるじがいなくなった家はどうなるのかと不安を抱いています。窓は閉まっているのか、食べ物は処分されているのか、小動物が侵入して不衛生になっていないのか。そう遠くない公園にはハクビシンやタヌキが目撃されています。この空き家はいつまで管理者のいないまま放置されてしまうのか、犯罪や放火の対象にならないのかなど心配は募ります。

一人暮らしの高齢者が住み慣れた自宅で最後まで安心して暮らすために、孤独死などを未然に防止するために、身寄りのない方が亡くなられた後の地域の安全・安心を守るためにも、区は成年後見人制度の利用支援や、早いうちから社会とのつながりをつくるように働きかけるなど、高齢者本人も地域住民も安心できるような具体的な取組を始めるべきではないでしょうか。いかがでしょうか。

御清聴ありがとうございます。

○区長(酒井直人) 近藤議員の御質問の一人暮らしの高齢者への対応についての孤独死について、私のほうからお答えいたします。
最初に、一人暮らしの高齢者の安否確認方法についてでございますけれども、区が管理する要支援者台帳システムには、介護・医療関係者や親族等の関係者情報が記録されておりまして、アウトリーチチーム等に問合せが入ったときに、その情報を基に、関係者からの聞き取りや訪問等によって所在の把握を行っているところでございます。
次に、自宅で死亡後発見されたケースのライフラインの手続についてのお尋ねがございました。身寄りがない場合であっても、本人に代わって光熱水費等の解約手続等を仕組み上区はできないことになっております。ライフラインの停止につきましては、各事業者がその場で判断をしているというふうに考えております。
続きまして、区報配布事業者や郵便配達員からの連絡についてのお尋ねでございます。区内郵便局をはじめ、見守り・支えあい協定事業者に対して、業務に支障のない範囲で、高齢者や障害者等の異変などに気がついたときには区へ情報提供することをお願いしているところでございます。今後も区内の様々な団体や事業者の協力を求めていきたいと考えております。なお、見守り・支えあい協定締結事業者の活動実績についてでございますけれども、令和2年度において、協定事業者から区に対しての異変の連絡は8件ございました。
次に、身寄りのない一人暮らし高齢者の死後の手続支援についてでございます。身寄りのない一人暮らし高齢者へは、老後の不安を解消するために、また、昨今の独居高齢者への支援事例から、日常的な見守りから入院対応、亡くなった後の手続など支援が必要だと考えております。引き続き、すこやか福祉センター、そして地域包括支援センター、また介護事業者からも、成年後見制度や社会福祉協議会が実施している安心サポート事業などの紹介や利用支援を行っていく考えでございます。

○保健所長(佐藤壽志子) 一人暮らしの高齢者への対応についての御質問のうち、ワクチンの接種券についてお答えいたします。
当初、3月中旬の接種開始に向けて、65歳以上の接種券の印刷・発送準備を進めるように国からの指示を受けておりましたため、3月上旬には接種券等の封入・封緘を終えておりました。このため、接種券に同封する区からのお知らせとしては、予約開始日を区報などで別途お知らせする旨を印刷し、郵送いたしました。国からのワクチン供給の見通しを踏まえて、接種券の発送前である4月5日から、区報や折り込みチラシ、はがき、ホームページなどで予約開始日、接種開始日などの情報提供に努めてきたところです。
次に、高齢者が理解しやすい資料作成についてお答えいたします。御指摘のとおり、高齢者にとって分かりやすい通知や資料を作成することが重要であると認識しております。このため、区報への掲載のほか、区報折り込みチラシの作成や区ホームページなど、安心してワクチンを接種していただけるよう広報に努めてきたところではありますが、高齢者に必要な情報が届くよう、お伝えする情報に絞り込むことや分かりやすい表現に一層努めるなど工夫してまいります。

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