私の議会報告

平成29年第1回定例会 2月22日 一般質問

■平成29年第1回定例会 2月22日 一般質問

第一回定例会で近藤さえ子は以下の一般質問をしました。(2月22日)

1 元臨時職員による事件への対応について


元臨時職員による事件への対応について伺います。平成29年1月11日、読売新聞夕刊の記事を見て私は目を疑いました。「住民情報盗み見、女性を狙う。元中野区臨時職員再逮捕へ」。中野区の臨時職員が勤務中に区の住民情報システムに接続し、20代のひとり暮らしの女性の個人情報を繰り返し盗み見し、女性の部屋に繰り返し侵入したとして逮捕され、かつ、個人情報の盗用を禁じた同区個人情報保護条例違反で再逮捕されたという内容でした。性的犯罪を繰り返していた可能性もあると言います。
区の臨時職員が、性犯罪目的で女性の部屋に何度も侵入するという最も卑劣な犯罪を、役所内のコンピュータから得た個人情報をもとに計画、実行していたというショッキングな事件に、多くの区民が驚き、中野区の非常勤職員の管理体制はどうなっているのか、個人情報の扱いはどうなっているのかと不安を抱きました。犯罪の被害者団体の方からは、「被害者支援に熱心に取り組んでいる中野区にこんな事件が起きて驚きました」と言われました。他の自治体職員からは、「中野区の管理職は被害者支援の職員研修に出ていないのですか」と聞かれました。
この元臨時職員は、中野区の臨時職員として3度雇用され、2014年10月から2015年3月まで、住居表示申請業務補助等、さらに1年後の2016年3月の1カ月間はマイナンバーを扱う業務、同年4月から7月、強制わいせつ容疑などで逮捕されるまでは、転出証明書発行業務補助等に従事していました。
区は、臨時職員採用の契約時に、不正行為を禁じる契約は取り交わさなかったのでしょうか。
元臨時職員は3度にわたって採用されていますが、不正行為を禁じることを研修などで指導したのでしょうか。
私は、中野区役所内でアルバイトを経験された方に聞いてみましたが、毎日個人情報を扱っていたが、個人情報に対して特に厳しく指導された記憶はない。以前勤めていた他の公共機関や保険会社では、月に1度、個人情報遵守のためのテストを受け、徹底的に厳しい研修があったが、中野区では特に印象になる研修はなかったと話していました。
1月25日には総務委員会、2月1日には区民委員会で元臨時職員による個人情報漏えい事案への対応について報告がありました。私は区民員会を傍聴しましたが、理事者の答弁では、区民からは70件の苦情が寄せられ、管理監督の徹底、個人情報を取り扱う部署に臨時職員を配置してよいのか、防止策の構築を求める、そのような声が大多数であったと言います。
区は、情報安全に係る実態把握総点検を実施し、再発防止策を挙げ、管理監督の徹底、職員教育の再徹底等を示しました。具体的には、携帯、スマートフォン等を持たせない、閲覧回数のチェック、臨時職員の研修、防犯カメラ設置等、さまざまな方法を検討し、最善の方法をとっていくとの報告でした。
しかし、いろいろな情報外部持ち出し禁止策をとってみても、一目で記憶できてしまう人もいるでしょうし、悪意を持った人間がその気になれば犯罪は繰り返されます。個人情報漏えいを防ぐための研修といっても、忙しい時期の短期の臨時職員に対して意識づけの研修やテストを行うことは難しいと感じます。
区民委員会の中で、区民の大事な個人情報を扱う部署に非常勤職員を配置していることが問題であるとの質問に、理事者は、非常勤職員ではなく、正規職員でも個人情報を悪用した例はほかにあり、本人の意識の問題でなかなか難しいと答弁されていましたが、わずかな面接時間で人間の意識を見極めることは困難であり、また、そもそも悪意はなかったが、毎日個人情報を見ているうちに魔が差すということもあり得ます。
私は、まず、中野区の管理職の意識改革を行うことが必要だと考えます。
区は2000人体制を築き、以前は正規職員が担っていた仕事を、正規職員とは比較にならない安価で民間に委託してきました。保育士等の専門職は、職種に対してプロ意識があり、低賃金でも頑張ってくださっているのでしょう。また、町会の方たちが無償で地域のために働くのは、自分たちの住まう地域をよくしたいと考えるからでしょう。
しかし、事務職の単純作業労働では、中野区のために働く意識、中野区をよくしたい思い等は生じないと思います。そこが正規職員や専門職、地域区民との違いです。それでも、ありがたいことに、民間委託、非常勤職員、アルバイトの皆様が真摯に働いてくださり、2000人体制が成り立っているのです。中野区に対して、特に思いのない人間を採用し、働いてもらうためには、中野区のチームのメンバーとして、正規職員と区民の総意をきちんと伝える必要があると思います。
では、中野区のために働く正規職員と区民の総意とは何なのでしょうか。それは第一に、中野区が安全で、安心して暮らせる自治体であってほしいということではないでしょうか。
中野区は、犯罪被害者支援に全国に先駆けて取り組んでいる自治体であり、犯罪を許さない自治体であることは、現在、全国的にも有名になっています。犯罪被害者支援の取り組みの一環として、実際の犯罪を例に挙げて職員研修をし、また、犯罪被害者が区民に向けた講演もしています。性被害の被害者で、その経験の著書もある方のお話なども伺ってきました。
中野区のチームの一員となる非常勤職員、アルバイトに対して、採用時に区民の総意として、中野区は犯罪は絶対に許さないとして、被害者支援に取り組んでいる全国的にも先進的な自治体であることを伝えるべきではないでしょうか。臨時職員の採用時に、区の事業の一つとして被害者支援を紹介していただきたいと思います。これは防犯カメラよりも犯罪への抑止効果を持ちます。いかがでしょうか。
法務省では、加害者が仮釈放となり社会復帰する前に、被害者の声を聞く心情等伝達制度という制度があります。刑期を終えて戻る社会は、再び犯罪を行うことを許さないというメッセージを被害者の存在を通して加害者に伝えていきます。これは、社会復帰する犯罪者の身を引き締める効果があるという保護観察官の声を伺っています。中野区も、被害者を出さないという区民の総意を伝えることは、採用時での歯止めになると思います。
また、新潟県庁には、「拉致被害者を取り戻そう」と書かれた3メートルぐらいの大きな垂れ幕があり、誰の目にもとまります。これは、拉致事件の風化防止のための取り組みの一つです。
犯罪を起こす人が最も嫌がるのは人の目です。個人情報を取り扱う全ての箇所にカメラを設置することはできません。例えば、警察の防犯ポスターや子どもたちの書いた「犯罪を許さない」、「みんな見ている」などの絵を、個人情報を扱っている部署に張る試みもあるのではないでしょうか。非常勤職員、正規職員、意識するしないにかかわらず、誰もの目にとまり、犯罪抑止効果になると思います。被害者支援の取り組みのポスターを作成して掲げてもよいと思いますが、いかがでしょうか。
さまざまな再犯防止策を検討されているとは思いますが、私は別の角度で提案させていただきました。御検討をお願いして質問を終わります。
その他はございません。ご清聴ありがとうございました。

○区長(田中大輔) 近藤議員の御質問にお答えいたします。
元臨時職員による事件への対応についてという御質問です。不正行為を禁じる趣旨の契約については取り交わさなかったのかという御質問でした。
区はこれまで、職員の臨時的任用に当たりまして、個人情報の保護や服務上の注意事項等の誓約書に署名をさせた後、各職場で業務内容や手順遵守事項の説明を業務内の指導の中で実施をしてきたところであります。
職場での不正行為を禁じること、これを採用に当たって指導しているか、したのかと、こういうことであります。業務を開始する前に、担当する業務内容の説明及び個人情報取り扱いの留意点について指導し、さらに、担当業務に携わる際に作業方法、手順及び個人情報の取り扱いについて、任用の都度、指導をしたところです。
具体的には、業務で取り扱う個人情報の重要性、不正利用の禁止、情報漏えい等の徹底を指導するとともに、パスワードを付与する際には操作ログが残ること、業務エリアに私物の持ち込みを禁止していること等の留意点について指導をしたところであります。
臨時職員への区の取り組みの説明についてということであります。全国に先駆けて被害者支援に取り組んでいる、そうしたことを念頭に置いての御質問であります。そういったことも含めてかもわかりませんが、これまでどおり法令や条例に基づいて、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務すべきこと、これをしっかりと説明をしてまいります。
それから、不正行為抑止のためのポスター掲示等についてであります。服務規律遵守の徹底や職員の業務遂行にかかわる個人情報の保護の徹底などについては、その都度、全庁的に通知するとともに、庁内グループウェアの新着情報に掲載し、個人情報保護も含めたリスク管理の実効性向上に努めているところであります。今後も適時、各部宛ての通知や庁内グループウェアの新着情報への掲載等によって、全庁的な注意喚起を行っていきたい、こう考えております。

○近藤さえ子  再質問させていただきます。
今、区長から犯罪被害者支援のことも含めてというお言葉をいただいて、とてもうれしいんですけれども、そういったことをきちっと伝えて、中野区では犯罪は許さないんだという、そういうことを特に取り組んでいるんだということを言っていただきたいと思いますけれど、もう一度お願いいたします。

○区長(田中大輔) 中野区全体としてさまざまな取り組みを行っているところでありまして、そういう中で安全・安心を守っていく、そのような取り組みをしているところであります。特定の個別の取り組みについて、必ず説明をするといったようなことについては、お約束はしかねるところだと思っておりますけれども、全体の取り組みをしっかりと念頭に置いて、説明に当たっていきたいというようなことでお話をさせていただきました。
それから、先ほど、職場での不正行為を禁じることの指導の中で、業務で取り扱う個人情報の重要性、不正利用の禁止、それから情報漏えい防止等の徹底をと申すべきところを、情報漏えい等の徹底をと言ってしまいました。訂正をさせていただきます。

社会活動


中野区お役立ち情報

なかの区報

教育だよりなかの

Copyright © 2014 Kondo Saeko All Rights Reserved.