私の議会報告

平成26年第1回定例会 2月21日 一般質問

■平成26年第1回定例会 2月21日 一般質問

平成26年度第一回定例会一般質問で、近藤さえ子は以下の質問を行いました。(2月21日)

1.犯罪被害者等基本条例の制定について
3、介護保険について


無所属の近藤さえ子です。
安全で安心して暮らせること、これは私たち国民の願いです。しかし、もし不幸にも事件・事故にあってしまったら、被害者や遺族を皆で支え合える地域であって欲しいと私は思います。

「犯罪被害者等基本条例の制定について」

私たちの身の回りには不幸にも犯罪に巻き込まれ、被害を受けた方が多くいらっしゃいます。
先日私は、家に押し入ってきた強盗に父親を殺された被害者遺族のAさんにお会いして、話を伺う機会を持ちました。Aさんの父親を殺害した犯人は、過去に自分の家族2人を殺し、20年服役し、出所後半年で、この事件を起こしました。裁判員裁判の東京地裁判決では死刑が求刑されましたが、高裁がこれを破棄し、無期懲役が言い渡されました。裁判員裁判の死刑判決が破棄された初めてのケースとして、注目された事件です。現在検察、被告側上告中です。普通に暮らしていた人が、ある日突然、犯罪の被害者の遺族となる、その苦しみは言葉では言い尽くせません。家族を失った悲しみだけでなく、このように続く裁判を乗り切ることも、とても1人では対応できません。誰かの支援が必要です。

国では、平成16年12月「様々な犯罪が後を絶たず、国民の誰もが犯罪被害者等となる可能性が高まっている今こそ、犯罪の被害者等の視点にたった施策を講じ、その権利利益の保護が図れる社会の実現に向けた新たな一歩を踏み出さなければならない」との前文で始まる「犯罪被害者等基本法」を制定し、翌年17年には個別具体的な施策の着実な実施を計るため、「犯罪被害者等基本計画」が策定されました。

中野区では、基本法が示す自治体としての責務を果たすために、全国の自治体に先駆け、平成20年度「犯罪被害者等の支援窓口」を設置し、相談支援事業、警察署や裁判所、病院などへの付き添い事業、犯罪被害者等の支援に精通している機関への紹介、他自治体との連携、職員向け研修、区民向け啓発講座、学校での加害者を作らないための教育等を行ってきました。

犯罪被害者等基本計画を確実に進めるべく取り組んでいる内閣府は、これらの中野区の取り組みを高く評価し、全国の内閣府犯罪被害者等施策研修会において、中野区の職員を講師に招き、多くの自治体向けに、中野区の取り組みを積極的に紹介しています。
特に平成23年6月から始めた犯罪被害者等緊急サポート事業は、区内にお住いの事件発生日から3ヶ月以内の被害者等に、家事援助、外出援助、育児援助等の援助を社会福祉法人中野区社会福祉協議会へ委託し、わずか30万円ほどの予算措置で事業を組み立てています。多くの自治体が、被害者等支援は行わなければならないと認識はしているが、予算をどのように確保するかと思案する中で、中野区のこの取り組みに対し多くの問い合わせが来ています。
また、昨年11月に開かれた区民向け講座は、桶川ストーカー事件、お嬢さんをストーカーに殺され、その後ストーカー規制法が制定される原動力となった猪野憲一氏と、現在、国のストーカー行為等の規制等の在り方に関する有識者検討会のメンバーであり、第2東京弁護士会犯罪支援センター運営委員会委員長の番敦子先生がストーカー問題について講演をされました。若い女性がストーカーにより尊い命を亡くされる悲しい殺人事件が連続で起こっている昨今、この問題に国民の関心は高まっています。その中で、国や都の中枢機関で委員を務めるお忙しい2人の講演を実現した中野区に対し、被害者支援に係る方々から、中野区の被害者等支援施策のレベルの高さにお褒めの言葉を多くいただきました。当日の会場である勤労福祉会館は立ち見がでるほどの盛況ぶりでした。
このように中野区の犯罪被害者支援の取り組みは全国的にも注目を浴び、先進的な取り組みと各所でお褒めの言葉を度々頂きます。しかし、被害者等、支援団体、他の自治体職員、国の機関、これら犯罪被害者施策のより一層の向上を図ろうと努力されている関係機関の方々から質問を受けることがよくあります。それは「中野区はこれほど先進的な取り組みをして、他の被害者等支援自治体のけん引役でもあるのに、なぜ犯罪被害者等支援・または基本条例がないのですか?」とのお尋ねです。

内閣府の調査によると平成25年4月現在、全国で、31都道府県・政令都市、332市区町村において犯罪被害者等支援に特化した、或いは項目が盛り込まれた条例が制定されています。東京都では杉並区と多摩市、日野市、国分寺市の4市区だけですが、犯罪被害者等のための条例を制定した市の担当職員は、「犯罪被害者の支援がなされている市町村は犯罪も少ない」と自信を持って話されました。
世界中が防犯や犯罪加害者の処遇に力を入れてきましたが、最近になって、一見遠回りの様に見えるが、被害者支援、被害者教育こそが、確実な防犯対策であると言う認識が広まって来ていると聞いています。
そのような状況を認識していただき、質問させていただきます。

2009年第2回定例会で私は、犯罪被害者等基本条例の制定を求めましたが、区の答弁は、条例はなくてもしっかりと取り組んでいくので、現在の所、条例で政策を根拠付ける必要性はない。と言うお答えでした。その時から4年以上が経ち、中野区の施策が全国的にも評価されている現在にあっては、どのようなお考えなのでしょうか?

現在は、担当者が奮闘して、現在の支援体制を築いていますが、未来永劫その担当者が窓口に居続けるわけではありません。また要綱だけでは、区民の知らないところで改正されてしまう可能性もあります。首長が変わればなおさらです。「区の取り組むべき施策」との明確な位置づけをするためにも条例は必要であると考えます。もし、現在でも条例を必要としないお考えであれば、中野区を被害者支援施策の牽引者と評価してくださっている多くの被害者等、支援者、条例制定をした他の自治体の担当者、基本計画を着実に推進する国の機関の担当者に理解できるよう、なぜ条例が必要ないのかご説明ください。

先日茨城県潮来市で、グアムで殺害された被害者等の友人たちが主体になり「潮来市国外犯罪被害者等見舞金の支給に関する条例」が制定されました。潮来市の住民たちは、隣人の保護のためには、国の制度設立を待っては居られないと、一番身近な自治体に隣人の保護、市民の福祉の向上を求めました。緊急に制定された条例です。この条例は、本当に困っている住民を決して見捨てない自治体であるという信頼を得ました。被害者等が犯罪に巻き込まれてから、1年近くが経ってやっと見舞金が支払われたのですが、いざ自分たちの隣人が事件に遭ったことで、あわてて、被害者支援をしていかなければならないのでは遅いと思えます。どこで、誰が、被害に遭っても住民の最低限の生活を守る支援の施策について、自治体は用意しておく必要があるのです。

現在、政府では犯罪被害者等基本計画の2次計画を進めています。計画では、施策の実施者は、制度や担当機関が変わっても連続性を持って当該等被害者等に対して支援等が行われるよう、途切れることのない支援を実施しなければならないことが重点目標に示されています。

 犯罪被害者等を支援している自治体であり、全国的にも先進的な取り組みと評価されている中野区は、区民のだれもが安全で安心して暮らせる地域社会の実現を目指すという「区の基本方針」を明確に打ち出す必要があります。

  1. 「犯罪被害者等基本条例の制定」をお願いします。いかがでしょうか。少なくとも制定の検討段階に入る必要があると思いますが、いかがでしょうか?

前向きなお答えに期待しまして、私の質問は終わります。ご静聴ありがとうございました。

 

野村副参事 答弁
犯罪被害者支援については、国の犯罪被害者等基本法を根拠に、区は十分な施策展開を行っており、区として独自条例は現在のところ考えていません。

 

3、介護保険について

○近藤さえ子 

介護保険について伺います。

平成26年度当初予算(案)では介護保険特別会計の歳入歳出予算の総額は210億6500万円で、前年度に比べて金額で12億400万円増、率で6.1%の増となっています。今後も高齢化がますます進む中、区はどのような認識を持っているのでしょうか。

○小山区民サービス管理部副参事(介護保険担当)
介護保険特別会計の増加は、第1号被保険者及び要介護認定数の増加による介護給付の増によるものでございます。介護給付費の増加は、介護保険料への影響も大きいことから、現在、国でも介護予防を始めとしてさまざまな制度の見直しの検討がされているところでございます。
中野区においても、介護給付費や介護保険料の増加の抑制に取り組む必要があると認識しております。このため、高齢者の方々が要介護状態等になることの予防や要介護状態の軽減、悪化の防止、地域におきましては自立した生活が行われるよう、事業時期につきましては、さまざまな工夫が必要だと考えております。

○近藤さえ子 

これからどんどん高齢化が進む中、様々な方法で、介護保険制度を維持しなければならないことは大変なことだと思います。保険料が高すぎて払えないようなことや、サービスの削減等が無いようにしていかなければなりません。本当に工夫が必要だと思います。中野区保健福祉総合推進計画2012年には、介護予防事業の取り組みが示されていますが、2次予防の参加人数は多くはないと聞きますが、現状はどうなのでしょう?そして今後どうしていくのでしょうか?

○朝井地域支え合い推進室副参事(地域活動推進担当)
お答えします。2次予防事業としましては、平成24年度、18コース、111名が参加しています。25年度は20コース、147名と言うことで、保健福祉総合推進計画の参加見込みを下回っている状況ですが、26年度につきましては、コース数、それから参加者枠を増加させておりまして、計画が達成できると言うふうに考えております。なお、25年度から2次予防事業の案内を対象の方に郵送するなど、事業周知のための工夫にも取り組んでいるところでございます。今後とも、コース数、参加者枠の増加を目指して行きたいと考えております。

○近藤さえ子 

2次予防というのは、1次予防よりもちょっと重い方が参加するので、参加者が少ないというのは、やはり、介護度が高くなりますと、介護度と言うか、身体が衰えてきますと、参加もなかなかしにくいという現状があると思います。本当に、介護予防や健康つくは大変大事なことですが、予防等をしていても、高齢になるとお元気なお年寄りが内臓的な病気、または骨折などの入院から、その後、一気に介護を要するようになって行く状況が想定されます。病院から自宅への移行、ここがうまく行われないと、介護保険を長期にわたり使うこととなって、結果、介護給付費が増えることにも繋がる可能性があります。病院から在宅へ、初めて家族に介護が必要となる時、どんな体制が取られているのでしょうか。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当)
病院から在宅に戻られるときの対応と言うことですが、自宅に戻られる場合に、ご本人がどのような状況にあるのか、またご家族がどのような家庭状況にあるのか、家族の状況も含めて、さまざまに異なるというふうに考えております。その状況によりまして必要な支援が異なるということで、例えば、住宅改修が必要な場合もございますし、介護保険の通所や訪問サービスで対応可能な場合もございます。まずは、地域包括支援センターですとか、すこやか福祉センターの相談窓口において、お困りの内容等についてご相談していただきたいというふうに考えております。

○近藤さえ子

軽い場合は良いのですが、病院でしばらくの間、寝たきりだった方、骨折などはもちろん、他の病気でも、病院から退院後、家で過ごすためには、まずは歩けるようになることが重要な課題です。そのためには、リハビリをどのようにしていくかが重要な課題となりますが、病院から退院後、3か月間のリハビリができる介護老人保健施設は現在中野区に江古田の森施設の1つだけです。これは2年前にも質問させていただいたのですが、23区で老健が1か所、或いは1つもない区はあるのでしょうか。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当)
今年の2月1日現在、23区における老人保健福祉施設の開設状況で、1つもないというのが千代田区だけです。また、1つだけと言うのは、中野区を含めて3区でございます。

○近藤さえ子 

24年の2月現在で伺った時は、中野区、中央区、品川区、渋谷区の4区だったのですけれど、1つの区は御努力されて1棟開設したと言うことでよろしいですか。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当)
そのとおりです。

○近藤さえ子 

中野区では、新しい中野をつくる10か年計画(2次)のステップ3で老人保健施設誘導整備となっていますが、その後の状況を教えてください。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当)

現時点では、具体的な計画は進んでおりません。

○近藤さえ子 

以前伺った時は、東京都に整備補助があり、100床ですと、430万円×100床、4億3000万円それに促進係数が1.5倍等総計されると言うお話でしたが、現在も補助の状況は変わらないのでしょうか。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当)
基本的に変わりません。

○近藤さえ子

それだけ補助金が出ていても、なかなか誘致は難しいのでしょうか。どのような問題を抱えているのでしょうか。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当)

2点あると考えております。
1点目は、特別養護老人ホームの整備とも共通しますが、地価が高いと言うこともありまして、採算が取れるベット数の整備ができる土地の確保ができないと言うことがあります。
もう1点は、老健特有の理由といたしまして、老健は用途地域における建築物の制限では病院と同様に扱われてございます。そのため、第一種低層住居専用地域では病院や老健は建てられないという制約もございます。

○近藤さえ子

10か年計画には掲げましたが、土地からの購入から、また、さまざまな条件で、参入業者がいないと言うことも本当に仕方がないという面もかなりあります。老人保健施設は大変必要な施設だと思いますので、複合的な施設の検討も含めて、区は今後とも積極的に誘導と情報発信をして行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当)

誘導整備などの情報発信に努めてまいりたいと考えております。

○近藤さえ子

26年度は第5期中野区介護保険事業計画終了の年、第6期計画策定の時期になりますが、平成23年度高齢福祉・介護保険サービス意向調査では、アンケート調査の結果、可能な限り住み慣れた自宅で暮らしたいと希望している要介護3から要介護5までの高齢者は72%でした。しかし、このころに比べると、民間の介護付き有料老人ホームなども増えてきています。また、東京都が推進している高齢者サービス付き住宅等も建設されてきています。こちらは、有料老人ホームに比べれば、少しは安価な価格設定となっています。前回の介護保険の見直しで、訪問介護のヘルパーの実質労働時間が縮小されるなど、在宅介護にも厳しい面が出始めています。
次の介護保険事業計画では、もし家族に、介護が必要になった時、或いは自身が介護される側になった時、「我が家はどのような介護生活を送ることがベストなのか」「自分や家族にはどんな選択肢があるのか」ここをきちんと確認ができ、決断に望めるような、老後のさまざまな住宅政策なども盛り込まれた計画の策定が望ましいと考えますが、いかがでしょうか。

○藤井健康福祉部副参事(福祉推進担当)

高齢者の住まい方の選択肢の1つとして、有料老人ホームやサービス付高齢者住宅もあるというふうに考えております。次期保健福祉総合推進計画の検討の中では、こういう住まい方についてもあわせて検討していきたいというふうに考えております。

○近藤さえ子

ありがとうございます。やはり、区民がいろいろな選択肢をまず知ると言うことが大事ですので、その辺はよろしくお願いいたします。

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