私の議会報告

平成25年第4回定例会 11月26日 一般質問

■平成25年第4回定例会 (11月22日~12月5日)

平成25年度第四回定例会一般質問で、近藤さえ子は以下の質問を行いました。(11月26日)

1.哲学堂公園を文化財として保存することについて
2.ごみの減量化について


1.哲学堂公園を文化財として保存することについて

東京都の名勝であり、中野区有形文化財である中野区立哲学堂公園は、文字通り哲学をテーマとした世界でも例のない「心の公園」です。東洋大学の前身である哲学館の創立者井上円了が、「西洋には体を養うと同時に心を養う公園がある。日本にも心を養う公園が欲しい」との思慮から、哲学を学ぶ精神修養公園として明治37年に開園しました。
公園内には、哲学に由来する建物や碑、池や坂があり、哲学の世界を表現しています。近年、ハンガリーの彫刻家のワグナー・ナンド―ル氏の作品「哲学の庭」も設置されました。また、梅、桜、ツツジと花木も多く、都民・区民の共有の財産と言ってもよいと思います。
私もよく哲学堂公園を訪れます。中野通りから哲学堂公園に続く桜は有名で、遠方からもお花見に人々が訪れます。四季を通じて小鳥がさえずり、先日も野鳥観察を楽しむ人たちの姿を目にしました。この時季は、メジロ、シジュウガラ、ヤマガラ、コゲラなどが集まるそうです。幼い子どもと親たち、老夫婦、休息中のサラリーマン等、幅広い世代に親しまれ、憩いの場所となっています。

しかし、最近気になることがあります。
崖を降りた妙正寺川沿いの低地で泉の水が池に流れ出す場所が、ブルーシートで囲われ作業が行われているのです。ここは、哲学堂77場(じょう)として設けた1つで神秘洞と言い、暗黒の世界が持つ、物(ぶつ)の造化(ぞうか)の幽玄性と神秘性を表している場所であるそうです。その洞窟の穴の中が崩れて、その復元のための調査を行っていると言うことでした。
同じく哲学堂77場の文化財の多くに劣化が起こっているのではないでしょうか。公園設置後既に100年以上経過し、建築物等も相当に棄損(きそん)しているのではないかと思われます。実際に、建物の一般公開日においても、ソクラテス、カント、孔子、釈迦を祀って(まつって)井上円了が1904年(明治37年)最初に建てた四聖堂と、かつての図書館であった絶対城は、建物保全のために公開されません。

歴史ある文化財は、後世の人々、区民に引き継がれていくべきものだと思いますので、必要な修復等を行い、適切に保存、管理しなければならないと考えます。
1. これら文化財の保存状況は、現在どのような状況なのでしょうか?
2. また、文化財は、見学者の安全も含め、予算をもって継続的に保存管理や補修工事を行って行かなければならないと思います。これまであまり手をかけられなかったように思えますが、哲学堂公園の文化財としての保存や、園路、植物の整備など、今後、どのように進めていくお考えなのでしょうか。

 先日、哲学堂公園の売店で、哲学堂の名前が入った哲学堂せんべいを買いましたが、予想していた以上の美味しさで、哲学堂公園も少しずつ観光客を意識し始めたのではないかと思いました。
 哲学堂公園があるこの地域は、歴史民俗資料館や、国の文化財となった野方配水等、北には江古田の森、江古田の獅子舞、南に新井薬師など、文化や歴史、自然に恵まれた地域です。中野区は現在、観光に力を注いでいますが、中野区にはオタク文化だけではなく、哲学や歴史を内包する心豊かな文化があることを、全国の人や外国から来た人にも知ってもらえるよう、
3. 哲学堂公園の存在をもっと広く発信されてはいかがでしょうか。
 
 哲学堂公園がしっかり管理され、集いの場所としてだけではなく、「心の公園」であることを大切に保存し、その価値が高まることにより、中野区のステータスがさらに上がることを願い、この項の質問を終わります。


2.ごみの減量化について

次に、家庭ごみの減量化への取り組みについて伺います。

 昨年の第4回定例会において、私は、江東区の区民による生ごみ減量モニター事業を紹介しました。47人の区民が4つの方式でごみ減量に取り組む事業で、事業担当は江東区清掃リサイクル課清掃リサイクル係です。再度4つを簡単に紹介しますと、1.腐葉土を利用した生ごみのたい肥化、2.木箱に黒土と生ごみを入れ消滅させる方法、3.EMぼかし(発酵促進剤)を使った生ごみリサイクル、4.段ボールコンポストを使った取り組み、以上の4つです。47組の家庭が8か月間この4つ方法に取り組んだ結果、1家庭で1か月平均7㌔の生ごみの減量になりました。100世帯が実施した場合、年間8.4㌧のゴミが減量され、1000世帯では84㌧の減量となります。江東区では、このモニター事業の結果を踏まえ、地域での取り組みを検討していると聞いています。
 昨年の私の生ごみ減量の質問に対しての答弁は、生ごみの8割程度が水分であると言われており、水きりをして排出していただくようにお願いしている、まや、家庭ごみの発生そのものを抑えるための啓発活動を充実させるとともに、新たな資源化の取り組みについて検討してまいりたいというものでした。
 新しい中野をつくる10か年計画(第2次)にも「燃やすごみの約半分を占める生ごみの資源化を進め、ごみ減量を推進します」と書かれていますが、
① 中野区の生ごみの減量化、資源化は進んでいるのでしょうか。その検討状況はどのようになっているのでしょうか。

また、先日、私は東京都日野市のコミュ二テイガーデン「せせらぎ農園」を視察しました。日野市は、環境省発表の平成23年度1人当たりのごみ排出量が少ない市町村(全国の人口10万人以上50万人未満市町村)の第4位になったそうです。
「せせらぎ農園」の運営は、すべて市民の手で行われ、約200件の会員の家の生ごみを一週間に一度回収し、そのごみをたい肥として畑で野菜、ハーブガーデンでハーブや植物を栽培しています。市が出す120万円の補助金は、車とガソリン代、運転手のアルバイト代に使われます。「せせらぎ農園」は、定年後の高齢者の居場所として、障害を持つ方の活動の場として、保育園・幼稚園・小学校の食育や環境学習の場として、幼い子供を連れた若い母親たちの交流の場として使われています。あらゆる層の市民が、それぞれのペースで農作業を楽しみながら、食と環境に配慮し地域での暮らし方について考えるきっかけとなっています。  
 平成24年度の堆肥化された生ごみ、1世帯当たり月14Kg、1年間189世帯の回収量は31t以上になりました。この農園を運営する「まちの生ごみ活かし隊」の方から、この農園の「一般家庭生ごみ循環モデル事業」に至る過程を伺いましたが、「せせらぎ農園」の取り組みは、ごみの減量化に取り組みたい市民と行政が長年にわたり話し合い、試行錯誤を重ねてきた結果の1つです。
地域の宝物である都市農地をこれ以上減少させない思い、家庭ごみの有効活用、地域の人々のふれあい、子どもたちの食育等たくさんの思いがこのコミュ二テイガーデンに込められていることが分かりました。この「一般家庭生ごみ循環モデル事業」は、全国的に注目され、各地からマスコミ、自治体のごみの減量課の職員、議員、教育関係者、大学生などの視察・見学が絶えず、昨年度は4,236人の見学者を迎えたと言うことです。
 
 このように、手法は違いますが、江東区・日野市、それぞれ住民と共にごみ減量に取り組み成功を収めている自治体の例を上げさせていただきました。
② ごみゼロ中野を目指す中野区も、住民と一緒になり、区と区民が共同で取り組む発想で、まずはモデル事業を検討されてはいかがでしょうか。
ゴミの減量は、言うほど簡単ではなく、待っていても始まりません。中野区に適した取り組みを検討するべきだと考えますが、いかがでしょうか。

社会活動


中野区お役立ち情報

なかの区報

教育だよりなかの

Copyright © 2014 Kondo Saeko All Rights Reserved.